7月19日から日本で開催される『EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会』。日本女子代表(なでしこジャパン)はまず韓国と対戦する。ディフェンスリーダーとしての期待が集まる高橋はなは、6月の欧州遠征で初ゴールも挙げており、攻守ともに存在感を高める日々にする。

上写真=高橋はなは前回のフィンランド戦の初ゴールに続き、2戦連発も狙う(写真◎スクリーンショット)

「チャレンジャーの気持ちで」

 高橋はなが狙うのは、2試合連続ゴール?

 6月のヨーロッパ遠征で、高橋はなが代表初ゴールを決めたのが2戦目のフィンランド戦のこと。右CKを遠藤純が左足でニアへ蹴り込むと植木理子がヘッド、ファーに流れたところを押し込んだ。

「触らなくても入っていたと思います。本当にぎりぎりで詰めたので、理子のゴールだねってみんなで言っていて」と試合後には笑ったが、最後までしっかり詰めていたこと自体に価値がある。7月19日に開幕するE-1選手権の初戦は韓国戦。「毎試合、得点は狙っているので貪欲に狙っていきたい」と意欲を見せつつも、センターバックとしてはまずは守備が最優先になる。

「チームとして奪う部分に関しては、みんなで共有する認識はより高まっています。積極的に奪いにいけると思いますし、そのためには後ろからの声かけが大切なので集中を切らさずにやっていきたい」

 熊谷紗希と南萌華と、このチームの中心であるセンターバックは今回は選考外。高橋が代わってリーダーシップを発揮する準備はできている。

「普段なでしこで主力として引っ張ってくれている選手がいないので、どの選手も自分がやるんだという気持ち出さないといけないし、ディフェンダーとしてまず全体に声かけることはしっかりやっていきたい」

 センターバックの競争をさらにレベルの高いものにしていくためにも、高橋のパフォーマンスには大きな期待が集まる。

「個人としては特に相手フォワードに入ったときの1対1は負けないようにトレーニングを積んでいるので、それを発揮できれば周りを鼓舞することにもなります。1対1は絶対に負けません」

 フィンランド戦では、初ゴールを決める前に、苦い経験をしている。ドリブルでカウンター気味に進んできた相手に対して、間合いをとって下がりながら時間を稼ぐ対応を選んだが、距離を取りすぎる格好になってしまった。そのスキを突かれてシュートを許し、一度は同点とされるゴールを奪われた。

 その反省を実戦の場で生かす格好の舞台が、日韓戦になる。今年の女子アジアカップではグループステージ第3戦で対戦し、先制しながら追いつかれて1-1のドローに持ち込まれた相手。

「個人的にビルドアップでミスがないようにやりたい。韓国はロングボールが増えると思うので、対応はより強化していかないと、これから先、ヨーロッパのチームや力強いチームに勝てません。より注意深くやっていきたい」

 E-1選手権で目指すは、もちろん優勝だ。リーダーとして頂点に立つことができれば、高橋にとってはかけがえのない大会になるはずだ。

「絶対に勝たなければいけないと思っているので、相手のやり方がどうなるかわからないけれど、いまの日本らしさを表現してチャレンジャーの気持ちで、強い気持ちで向かっていくことが大事だと思っています」