なでしこジャパンは4月4日から福島県のJヴィレッジで国内キャンプ中。田中美南は好調をそのまま持ち込んで、チームの底上げのために先頭に立って引っ張る。女子アジアカップでは最後に負傷で欠場したが、その分をもと意欲的だ。

上写真=田中美南はこのキャンプで「いろいろな選手を見て刺激にしたい」(写真◎スクリーンショット)

「相手のプレスも遅く感じる」

 田中美南が好調を維持してキャンプにやってきた。WEリーグで3試合連続得点中。そのうち2試合は1-0の白星の決勝点で、まさにチームを勝利に導くエースの働きだ。

 好調の理由はシンプル。痛みがないからだという。

「痛いところがないので余裕が出てきたというのは、練習をやっていても思います。コンディションがいいときは周りを見る余裕があるし、相手のプレスも遅く感じるんです」

 つまり、身体の状態さえ良ければしっかりと結果を残すことができる、という自負である。1月から2月の女子アジアカップでは、準々決勝のタイ戦で開始9分で負傷交代を余儀なくされた。母の祖国との対戦を楽しみにしていたのだが、残念な結果になった。この試合に勝って女子ワールドカップを獲得したからなおさらだ。続く準決勝の中国戦は出場がかなわず、2-2からPK戦で敗れて3連覇を逃した。

「優勝して帰りたかったし、ワールドカップの出場権は取ったけれど、ケガで最後に力になれなくて悔しかったんです。本番でのワールドカップに向けてはいいコンディションで戦いたい」

 女子ワールドカップは来年7月だから、それまでに個人としてもチームとしても積み上げたい。池田太監督のカラーが出るチームには、大きな可能性を感じている。

「ゴールへ向かう推進力はよりはっきりしたというか、最初のアクションは裏なので、ボールを持った選手が顔を上げた瞬間にみんなで動いてゴールを目指すことは明確になりました。どんどん要求していきたい」

 なでしこジャパンの中心メンバーだから、今回のキャンプで新しい選手たちを引っ張っていく役割もある。名実ともに最前線でチームを引っ張る立場として、田中自身も成長していくキャンプになる。