なでしこジャパン(日本女子代表)DF清水梨紗が、攻守のカギを握るサイドのレベルアップを期している。長いシーズンを戦う中でコンディションにも気を配りながら、トレーニングキャンプでチームの底上げを目指す。

上写真=トレーニングキャンプ中のオンライン会見に臨んだ清水(写真◎スクリーンショット)

「これからもケガなく、チームのために」

「アジアカップを経験した人と、選ばれていなかった新しい選手が半々くらいで、チームとしての意思統一が大事になってくると思う。自分はアジアカップを経験しているし、その前の合宿もいたので、他の選手に教えてあげながら、自分も精度をどんどん上げていきたい」

 なでしこジャパンは4月4日から、候補メンバーによるトレーニングキャンプをスタートさせた。1月から2月にかけての女子アジアカップ終了後、約2カ月を経てのリスタート。清水が語るように、初選出の選手や、女子アジアカップに参加していない選手も多く含まれており、池田太監督のサッカーを多くの選手に浸透させながら個々のレベルアップを図り、チームの底上げを進める貴重な機会でもある。

 池田監督は就任後、ボールを、ゴールを、勝利を『奪う』ことをテーマに掲げてチームづくりを進めている。これを踏まえて清水は「奪うというテーマがあり、前線から守備をして、ラインを高くしていくのがコンセプトにある中で、(前から守備に)行けないときに、全員が意思統一して、行けないという認識を持ちながら、試合に臨むことも大事だと思う」とコメント。レベルの高い相手との対戦を見据えながら「そういう細かい部分は、いまから積み上げていかないと、海外の選手たちとは難しい試合になってくると思う」と続けた。

 一方で個人としては、右サイドバックとして「速い選手と対峙することが多いので、裏への対応が多くなってくると思う。そういうところはレベルアップしていきたい」と意気込む。常にボール支配率で上回った女子アジアカップとは異なり、2023年女子ワールドカップなどでの強豪国との対戦では攻撃参加の機会も限られるはずで、「自分が上がるべきなのか、少し守備に戻った方がいいのかは、試合によって違ってくる。そういう判断も、これからもっと磨いていかなければいけない部分」と強調した。

 なでしこリーグからWEリーグに移行した昨年から今年にかけては、東京五輪なども挟んで約1年半の長いシーズンを戦っている。女子アジアカップでは全5試合にフル出場し、スタミナには定評がある清水だが、疲れが一気に出ることもあるそうで「(日テレ・東京ヴェルディベレーザの)フィジカルコーチと話をすることが多くて、疲れているときに、こういうことをした方がいいとか、疲れているけど、ここだけは刺激を入れておいた方がいいとか、アドバイスをもらっている」と明かす。

 その効果もあって「いまのところ、ケガなくできている」という。今回のキャンプが終わればWEリーグの終盤戦があり、その後も代表活動などが続いていく状況で「これからもケガなく、チームのためにプレーし続けられれば」とコンディショニングへの意識を語っていた。