AFC女子アジアカップはいよいよノックアウトステージへと移っていく。グループCを首位で突破したなでしこジャパン(日本女子代表)は1月30日、グループBで3位のタイと戦う。この試合に勝てば、9大会連続でのワールドカップ出場が決まる重要な一戦だ。

上写真=池田太監督はワールドカップ出場権獲得に向けて、チームの集中力を高めていく(写真◎JFA/PR)

「これまでよりも湿度や気温が高い」

 日本はミャンマーに5-0、ベトナムに3-0、韓国に1-1で、2勝1分け、9得点1失点でグループCを首位で突破した。ノックアウトステージは準々決勝からで、相手はグループBで3位のタイになった。

 タイは初戦でフィリピンに0-1と黒星スタートとなったが、インドネシアには4-0で勝利、最終戦は優勝候補の一角、オーストラリアに粘り強く戦いながら1-2で敗れた。1勝2敗で3位となって、ノックアウトステージへと進出することになった。

 池田太監督は落ち着いている。

「2023年のワールドカップでも上位に食い込む準備をしています。しっかりと出場権を獲得したい」

 はるか高い目標に向かって、目の前の一戦を勝ち切る構えだ。タイの印象は「岡本監督はよく知っていて、選手一人一人にしっかりと役割を浸透させていると思いますので、こちらも準備していきたい」「タフなゲームになる」と敬意を払いつつ、勝利は譲れない。

 公式会見に同席した清水梨紗も重要な一戦を前に、落ち着き払って決意を口にした。

「自信はあります。1試合1試合が大事なので、次の試合も全員で戦っていければと思います」

 これまで通りの姿勢を崩していない。

「ワールドカップに出場することは、日本サッカー界にとっても大事なことで、WEリーグにもつながってきます。自分たちが背負って頑張っていければ」

 池田監督が注意を払うのは、環境面。プネーからナビ・ムンバイに移っての戦いで、「これまでよりも湿度や気温が高いのでコントロールしながら戦いたい」と気候の変化に対応しながら試合を進めていく必要がある。

 清水が集中するのは試合の運び方だ。ノックアウトステージなので、同点の場合には延長戦に入り、それでも決着がつかなければPK戦もある。勝てばプネーに戻って中3日で準決勝を迎えることになる。

「予選と違って延長戦やPK戦があります。その次のことを考えると90分で絶対に終わらせた方がいいので、慌てずにですけど、90分で仕留めるのはチームにとって大事になってくる」

 試合状況によってゲームマネジメントを細やかに進めることが必要だ。韓国戦ではその点でピッチの中での統一感にむらが見られたことを多くの選手が反省しているだけに、それを生かしてタイに90分できっちり勝利を収めたい。

 日本時間で1月30日17時。まずは最初の目標であるワールドカップ出場をかけて、決戦を迎える。