決勝トーナメント進出を決めたなでしこジャパン(日本女子代表)の乗松瑠華がオンラインで取材に応じた。ベトナム戦では左サイドバックとして先発し、途中からCBも務めてフル出場。躍動感あるプレーを見せたが、「もっとできる」と反省するとともに韓国戦への意気込みを語った。

上写真=ベトナム戦の前にはワクワクしたと話した乗松瑠華(写真◎JFA/PR)

チャンスメークの部分が物足りない

 左サイドバック(SB)として先発し、途中からセンターバック(CB)としてもプレーした。左SBは本職ではないものの、90分間、自身の役割を全うした。

「個人的には、左サイドバックでの出場だったのでもう少し縦への突破で、チャンスメークというところを。少し足りないかなと思います」

 2014年にもアジアカップを最後に長く代表でプレーすることはなかった。なでしこジャパンが池田太体制となり、昨秋のヨーロッパ遠征で招集され、およそ7年半ぶりにアジアの頂点を争う大会に戻ってきた。「試合もそうですけど、その日のバス移動だったり、ワクワク感というか、このメンバーの一員としていれて幸せを感じていました」。久々の公式大会の舞台に高揚感を感じたという。

 専門職ではない左SBについては、「相手のストロングがカウンターだった」のでバランスを考える中で「もっと縦へ仕掛けて、アーリークロス」を狙っていきたいかったと話す。「もっとえぐってからのクロスもあってもよかった」。チームのために「もっとできた」との思いを口にした。

 今回の代表は以前とは異なる心境で臨んでいる。「8年前は最年少で、大会に参加していても先輩についていくので精一杯で自分のプレーを100パーセント出すことだけで一杯いっぱい。今はそこから時間が経ってもう少しチームためにということで、考えながらピッチ内外含めてやっていけたらと思っています」。自分の持ち味をしっかり出すことにフォーカスしている。

 次戦はグループ首位通過がかかる韓国戦だ。「やっぱり日韓戦というと激しくて難しい試合になるのは分かっています。だから絶対に球際だったり、そういう部分で負けてはいけない。フィフティーフィフティーボールやこぼれ球をどちらが拾って主導権を握れるかが大事。気持ちの部分はこだわっていきたい」。どのポジションでもチームのために自分のすべてを出すつもり。キャリアを重ね、8年前とは違う成熟したプレーヤーとなった乗松は、次の出番に備えていた。