インドで開催されているAFC女子アジアカップで、なでしこジャパン(日本女子代表)は連勝、グループステージ突破を決めた。1月24日の第2戦でベトナムの鋭い出足に苦しみながらも、成宮唯が2試合連続ゴールで2得点と気を吐いて勝利に導き、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

上写真=成宮唯が2試合連続でゴール。プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた(写真◎AFC)

■2022年1月24日 女子アジア杯GS第2戦(インド・プネー/無観客)
ベトナム女子 0-3 日本女子
得点者:(日)成宮唯2、熊谷紗希

「きれいな形ではないですけど」

 開口一番、反省だった。

「たくさん点を取るには、もっと早い時間に取れればよかったですけど、崩して点を決める形がなかったのが課題です。初戦から、フィニッシュの部分は課題が残りました」

 成宮唯はベトナム戦で2試合連続ゴールを決めて先制し、58分には勝利に大きく近づくチームの3点目もマークしている。代表3試合で3ゴール。このベトナム戦ではその活躍が認められて、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

 先制弾は38分まで待たなければならなかった。左に回り込んだ高橋はながゴール方向へクロス、GKがファンブルしたところにきっちり詰めて、左足で蹴り込んだ。50分に熊谷紗希が追加点を挙げたあとの58分には、左からのFKを猶本光が中央へ、ニアで田中美南が打ちきれなかったものの、逆サイドまで流れてきて落ち着いてダイレクトで右足で押し込んだ。

 どちらもこぼれ球を予測して押し込んだ形。

「崩して決めたきれいな形ではないですけど、相手のスキを逃さずに、自分の良さである抜け目ないところを発揮できたと思います」

 最後までボールの行方を追いかける集中力のなせる技だろう。

「なでしこの一員として臨む大会はこれが初めてで、何が何でもチームの結果に得点で貢献するという目標で来たので、この2試合で表現できたのは良かったです。でも、次の韓国戦も、さらに勝ち上がっていくにつれて相手が強くなってくるので、そこでどれだけできるかがこの先の自信につながると思います」

 まだまだ、本当に試されてはいないのだと気を引き締める。その最初の関門になりそうな韓国戦は、中2日でやってくる。どちらも連勝していて、グループ首位を決める決戦だ。

「このグループで一番難しい相手になると思いますけど、首位突破のために必ず勝ちたい」

 初戦は69分から、第2戦はフル出場。過密日程だから、次の試合でどのように起用されるかはわからない。それでも、どんな形であってもゴールを狙うことに変わりはない。抜け目なく、したたかに。