新生なでしこジャパンのファーストゴーラーは、植木理子! インドで開幕したAFC女子アジアカップで、なでしこジャパン(日本女子代表)は1月21日のグループステージ初戦でミャンマーに5-0と圧勝スタートだ。池田太監督体制になって初めてのゴールは植木がダイナミックに決めてみせた。

上写真=植木理子は1ゴール1アシストで素晴らしい結果を残してみせた(写真◎AFC)

■2022年1月21日 女子アジア杯GS第1戦(インド・プネー/無観客)
日本女子 5-0 ミャンマー
得点者:(日)植木理子、長谷川唯2、猶本光、成宮唯

「すごくいい形だったなと思います」

 迷いはなかった。

「目が合った気がして」

 GK山下杏也加がきれいな球筋のロングキックを右サイドに届けると、長谷川唯が抜け出した。顔を上げた長谷川と植木理子がアイコンタクト。

 文句なしのクロスに合わせて、豪快でパワフルなダイビングヘッドでゴールに突き刺してみせた。これがうれしい代表初ゴール。

「ヘディングは得意としているので、サイドにボールが入った時点で準備していました。目が合った気がしたので、勢いを持って入っていった結果、ゴールにつながったと思います」

 なでしこジャパンとしても、池田太監督が指揮を執ってから初めてのゴールでもあった。

「太さんとはアンダー世代でも一緒にやってきて、なでしこでの最初の大きな大会で決められたのは個人的にはうれしいです」

 大会初戦という大事なゲームで、ミャンマーとは力の差はあったから、できるだけ早くゴールを決めて気持ちよく試合を進めたかった。しかし、ビッグチャンスを作るもののなかなかネットを揺らせなかった。待望の先制ゴールが生まれるまでに、22分もかかってしまった。

「個人としては代表でゴールがなくて、ほしい気持ちがずっとありました。初戦は難しい中で誰かが早い時期で決めることがキーになるという話も出ていたので、それが自分になったことで、個人としてもチームとしてもよかったです」

 もやもやした空気を吹き飛ばすダイナミックヘッドに続いて、ゲームの行方を決定づけたのは、最高のクロスをくれた長谷川への「返礼」だ。1-0で折り返した後半開始早々の47分、宮澤ひなたからくさびのパスを引き出し、フリックして長谷川を裏抜けさせた。長谷川は落ち着き払ってゴール左に蹴り込む追加点が生まれた。

「後半の早い時間に取れたのはチームとしてよかったと思います。フリックは練習の中でかなりやってきたので、形としてゴールにつながりました。ひなたからボールが出たときに唯さんが声をかけてくれたので、動かされたと言っても過言ではないんですけど、すごくいい形だったなと思います」

 自画自賛のアシストだ。

 これをきっかけに後半は計4ゴールとなったが、池田太監督は「ダイナミックに動くように」という指示をハーフタイムに送っていたという。植木も大きくはっきり動くことを意識した。

「前半、相手はブロックを敷いてきて自分たちは狭いエリアでの動きになっていました。その相手の背後を突くこと、よりわかりやすく大きく動くことで、マンツーマンでついてくる相手を引き連れてスペースを開けることが効果的でした」

 この日は69分に菅澤優衣香に後を譲ってお役御免。中2日での試合が続くから、コンディションのためにはありがたかった。素晴らしい1ゴール1アシストだが、まだ初戦。さらに上回る結果を、これからも追い求めていく。