AFC女子アジアカップでなでしこジャパンは1月21日、初戦のミャンマー戦を控える。19日にはFW岩渕真奈が新型コロナウイルス感染症で陽性判定を受ける衝撃が走ったが、彼女のためにも勝利を続けるつもりだ。猶本光はアジアで戦う難しさを理解しつつ、チームを支えていく。

上写真=猶本光は「アジアで勝つ」ことにフォーカスして大会を戦い抜く(写真◎山口高明)

「みんなでケアしています」

 AFC女子アジアカップで1月21日に初戦を迎えるなでしこジャパン。3連覇とワールドカップ出場権の獲得をかけて戦うから、負けるつもりはない。そして猶本光は、チーム全員の気持ちを代弁するように、もう一つの勝ち続けるべき理由を明かす。

「彼女のストレス、動けなかったり部屋にいなければいけないストレスを、チームみんなでケアしています。ドアの下から手紙を入れましたけど、みんなでサポートして、帰りを待っているよと伝えられたらいいなと思います。そして、彼女が帰ってくるまでに試合があるので、チーム全員で勝っておくことが大切だと思います」

 岩渕真奈が新型コロナウイルス感染症の陽性判定を受け、隔離を余儀なくされた。少なくとも1月24日までホテルの自室にとどまることになるから、21日のミャンマー戦、24日のベトナム戦に連勝した上で、岩渕の復帰を迎えるつもりだ。

「1試合1試合、気の抜けない戦いだと思っています」

 アジアでの戦いは厳しいものになると、猶本の過去の経験が教えてくれる。特に「奪う」というコンセプトの下でチーム力を高める中で、冷静に見極めなければいけないことがあるという。

「この前のヨーロッパ遠征では、球際でガツンと当たりにいっても相手は倒れないので高い強度でいけば良かったんですけど、アジアの場合はちょっと強くいくと痛がって倒れてファウルを取られるシーンをいろいろ経験してきています。そういうところの調整が必要になってきます」

 世界一を取るための逆算の中に、高強度の球際バトルは絶対条件として挙げられる。でも、アジアにおける大会ではそれだけでは勝てないという現実を知っている。アジアカップの目標はあくまで勝つことだから、「対アジア戦略」が必要になるというわけだ。

「アジアで戦う場合と欧米のチームと戦うものは異なってきます。アジアカップで勝つために来たので、アジアの戦いにフォーカスして、どうしたら勝てるか。1試合ごとに戦い方は変わっていきます」

 相手次第でゲームプランにマイナーチェンジを加えるだけの地力は、もちろんなでしこジャパンにはある。ただ強く向かうだけではなく、ただ力を緩めるだけではなく。

 それを猶本は「賢く奪う必要がある」と表現した。