AFC女子アジアカップに向けてインド入りしたなでしこジャパンが、まずは環境に適応して1月21日の初戦に備えている。新体制で初めてメンバー入りした遠藤純が、11月のオランダ遠征で停滞気味だった攻撃に刺激を与える存在になりそうだ。キーポイントは「逆サイド」。

上写真=遠藤純は新体制初招集。東京オリンピック以来の代表で攻撃の要になる(写真◎山口高明)

「国内合宿ではゴール前のトレーニングが多かった」

 池田太監督体制で初めてなでしこジャパンに選ばれたレフティーが、攻撃に刺激を与える。11月のオランダ遠征でアイスランドとオランダからゴールを奪えないまま帰国したチームに、遠藤純は選ばれていなかった。だからこそ、アジアカップで攻撃のタクトを振るってみせる。

 オランダ遠征ノーゴールを受けて、池田監督も攻撃のバリエーションを増やすことを目標の一つに掲げている。これまでコンスタントになでしこジャパンに選ばれ、東京オリンピックも経験しているキャリアを、攻撃の構築に生かしていく。

「国内合宿ではゴール前のトレーニングが多かったです。サイドハーフでプレーしましたけど、フォワードとの連係も大事ですし、その2人の連係だけではなくて、ボランチや逆サイドのサイドバックやサイドハーフまでもが連係することで、得点機は増えていました。そこが得点源になるのかなと思います」

 サイドからの攻撃では、サイドハーフとFWとボランチが関与し、その逆サイドからもサイドハーフやサイドバックが密接に絡んでいく。遠藤が手応えを感じたこのパターンで、どれだけのゴールが生まれるだろうか。

「フォワードとサイドハーフ、フォワードとボランチ、という関係だけではなくて、3人目、4人目の連係が大事にあります。攻撃の選手としては、その部分を意識してトレーニングしてきました。試合にそれが出ればいい」

 練習グラウンドは「少し硬い」状態だという。スタジアムも同じかどうかわからないが、「硬さによってボールの運び方が変わってくるので、状況に応じてしっかりプレーしたい」と環境の変化へしっかり対応する準備はできている。

 左足から繰り出すパスとパンチ力満点のフィニッシュ、サイドを駆け抜けるスピード、167センチのサイズを生かして、遠藤がなでしこジャパンの得点源になる。