上写真=宮川麻都は「奪う守備」への課題を克服する(写真◎山口高明)
「味方の動きを見てプレーできれば」
宮川麻都は2021年10月に池田太監督体制になってからも、なでしこジャパンに選ばれ続けている。10月の国内キャンプ、11月のオランダ遠征に参加し、オランダとのテストマッチに先発出場、左サイドバックとして66分までプレーした。
池田監督が最初に授けたチームコンセプトは「奪う」。勝利を、ゴールを、ボールを奪う意志をピッチで表現したが、宮川はそこに課題を感じている。
「オランダで出た課題としては、奪う守備ができていないことでした。個人としてもチームとしても、ボールに寄せてはいるけれど奪えない、ということがわかりました。今回の合宿では、その奪うことをやっていきたい」
難しいのは、ボールに向かう勢いを利用されてかわされ、飛び出した裏側のスペースを突かれることだ。表裏一体だからリスクを負わないと奪えないが、オランダ遠征初戦のアイスランド戦ではサイドの裏のスペースを狙われて2失点している。宮川はこの試合に出ていないものの、奪いに出るのか出ないのかの判断力が問われる。必要なのは的確なポジショニングだと考えている。
「サイドハーフに入る人が外にポジションを取るのか内側に取る人なのかで、自分のポジションが変わってくると思います。味方の動きを見てプレーできればいいと思っています」
そのバランス感覚は宮川の得意な部分でもあって、「自分のチームでポジショニングを学んできたので、強みとして頑張っていきたい」と自認する。ほかにも「ビルドアップや細かいパス回し」も得意なプレーに挙げていて、オランダ戦でも左サイドハーフの長谷川唯、左ボランチの長野風花、左センターバックの南萌華とボールを動かしながらテンポを作っていった。
これから迎えるアジアカップではヨーロッパ相手の戦いとはまた別の難しさがあるが、ボールを的確な場所に送り込むキック、特に左足でのフィードも課題に挙げている。解決に取り組んだ練習の成果を、まずはアジアでぶつけるつもりだ。