池田太監督を迎えて戦う最初のゲームは0-2の敗戦。オランダに遠征しているなでしこジャパン(日本女子代表)は11月25日(現地時間)、アイスランドと対戦し、前後半に1点ずつを失って無得点のまま敗れた。29日はオランダと対戦する。

上写真=小林里歌子は植木理子と2トップを組んで、積極的なフィニッシュが好印象(写真◎JFA)

■2021年11月25日(現地時間) 国際親善試合(@オランダ・アルメレ)
日本女子代表 0-2 アイスランド女子代表
得点者:(ア)ヨンスドッティル、ソルバルズドッティル

フィニッシュへの「もう一つの共有がまだまだ」と池田監督

 10月になでしこジャパンの新監督に就任した池田太監督の「初陣」は、黒星で終わった。オランダ遠征中のチームは11月25日(現地時間)にアイスランドと対戦、前半、後半に1点ずつを失って0-2で敗れた。

 成宮唯がデビュー、植木理子と小林里歌子で2トップを組むなど、フレッシュなメンバーで臨んだ日本は、序盤から小気味の良いパスをつないで左右にボールを展開しながら攻めていく。ところが、やはりアイスランドのパワーとスピードで押し返される形で、14分には左サイドを一気にスピードで破られると、ドリブルで持ち込んだヨンスドッティルに角度のないところから蹴り込まれて、先に失点してしまう。

 アイスランドの強度に慣れてくると、日本は再びボールを動かしながら押し込み始める。20分には植木が相手を背負いながら巧みにターンして左足で狙い、池田監督が掲げる「奪う」の意識で22分には高い位置で相手ミスを誘ってから小林が狙っていった。32分には猶本光から右サイドバックの清水梨紗に展開、シュート性のクロスを受けた小林がシュートを放ち、40分には右の裏で受けた長谷川唯が折り返して再び小林がヘッドで狙うなど、チャンスを作っていった。

 後半も大きな流れは変わらず、52分に左に展開して宝田沙織が中央へ送ると、走り込んでいたボランチの長野風花が狙ってみせる。69分には決定機。長野の縦パスで右サイドを抜け出した植木が持ち込み、中央に小林と長谷川がいながら植木は強引に狙ったが、相手にブロックされた。植木は88分にも左からの長野のパスを受けてシュートを放つなど、最後まで積極的にゴールに向かったが、実らなかった。

 71分には同じような形から左サイドをロングパスでひっくり返されて破られ、抜け出されたヨンスドッティルの折り返しにソルバルズドッティルが決めて2失点目を浴びた。

 池田監督は初陣に勝てなかった悔しさをにじませた。守備では、失点のシーンに象徴されるようにスペースをスピードで突かれた反省がある。

「試合開始から少し相手の中盤に対する守備の同時性が足りなくて、大きく展開される前に奪いきるところは上げていきたい。それから、展開されたあとの守備の粘り、組織の構築はこれから取り組んでいかなければと思います」

 攻撃についても引き続き、最後の崩しに伸びしろがある。

「どうやって前進していこうかということは選手に早い準備を求めていて、良いサポート、角度を意識して連動できていました。相手陣内に入る部分はできていましたが、その後の最後のアタッキングサードの停滞感、フィニッシュまでつながるあともう一つの共有がまだまだだなというのが正直なところです」

 国内組は10月に合宿したものの、海外組を組み込んでの練習はオランダに来てからわずかしかできなかった。長谷川唯も「攻撃のバリエーションは少なかった」と振り返ったが、それでも2トップが積極的にシュートを放ち、オフサイドにはなったものの相手の裏を取るシーンも何度も見られた。敗れはしたが、南萌華も「マイナスではなくプラスに考えながら、いい方向に修正しながらいいチームになっていければ」と手応えも感じていた。