日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が30日、東京五輪の女子サッカー競技準々決勝、日本女子代表(なでしこジャパン)対スウェーデン女子代表の試合後にコメントを発表した。なでしこジャパンの敗退について田嶋会長は何を感じたのか。

上写真=なでしこジャパンの準々決勝敗退を受けてコメントを発表した田嶋幸三会長(写真◎Getty Images)

全力で臨んでくれたことに感謝したい

 なでしこジャパンは準々決勝でスウェーデンに1-3と敗れた。試合開始早々に1点を先行されたものの、田中美南のゴールで追いつき、前半を1-1で終えた。だが後半、力の差を見つけられてしまう。フィジカルの差、スピードの差に加え、ボールの争奪戦でも後手を踏み、完敗。メダル獲得を目標に掲げてきたが、高倉麻子監督と22人の選手たちは8強で大会を後にすることになった。

 自国開催というアドバンテージがある中でも、結果的に世界との差を痛感することになった。なでしこジャパンの戦いぶりについて、JFAの田嶋会長がコメントを発表した。

「とても残念な結果であるが、高倉監督、スタッフ、選手たちが全力で臨んで戦ってくれたことに感謝したい。VARの不運なことも重なりながらも、優勝候補筆頭でダイナミックなサッカーをするスウェーデンに対して、なでしこらしいサッカーを最後まで展開してくれた。トータルで見れば、個々の選手の力が上回るスウェーデンに対して真正面から戦ったことで、世界における現在の日本女子サッカーの位置とこれから改善して成長していかなければならない点がはっきりとした。9月からWEリーグが始まる。今回感じた世界基準に近づいていくために、選手たちはそれぞれのチームで日々のトレーニングを積み重ねていって欲しい。全力でプレーした選手たち、チームを支えてきた監督やスタッフ、なでしこジャパンを応援してくれた全国のファン・サポーターの皆様にあらためて感謝の気持ちをお伝えしたい」

 2011年に世界の頂点に立ってから10年。なでしこジャパンの成長速度よりも世界の成長速度の方が速かった。そのことが今大会の結果で明白になったと言える。9月12日にはWEリーグが開幕する。日本初の女子プロサッカーリーグ。国内リーグのレベルが上がることになれば、自然、女子サッカーのレベルも、なでしこジャパンのレベルも上がっていく。田嶋会長は、プロリーグの創設がなでしこジャパンが再び世界のトップに立つための契機になってほしいと期待を込めた。