7月24日、なでしこジャパン(日本女子代表)が1次リーグE組第2戦でイギリス女子代表と対戦。前半は何度か良い形を作ったものの、押し込まれた後半に失点して痛恨の黒星を喫し、苦しい状況に追い込まれた。

上写真=イギリスに競り負けた日本は勝ち点1のグループ3位で最終戦へ(写真◎Getty Images)

■2021年7月24日 サッカー女子1次リーグE組(@札幌ドーム)
日本女子 0-1 イギリス女子
得点:(日)なし
   (イ)エレン・ホワイト

・日本女子メンバー◎GK山下杏也加、DF清水梨紗、熊谷紗希、南萌華、宮川麻都、MF林穂之香(67分:三浦成美)、中島依美(81分:岩渕真奈)、塩越柚歩(55分:籾木結花)、長谷川唯、杉田妃和、FW田中美南(67分:遠藤純)
 ※実際のポジションで表記

・イギリス女子メンバー◎GKエリー・ローバック、DFルーシー・ブロンズ、ステファニー・ホートン、リア・ウィリアムソン、デミ・ストークス、MFキーラ・ウォルシュ、ソフィー・イングル(59分:キャロライン・ウィア)、ニキータ・パリス(75分:レーチェル・デーリー)、キム・リトル(88分:ジル・スコット)、ローレン・ヘンプ(88分:ジョージア・スタンウェー)、FWエレン・ホワイト

『日本キラー』に決められる

 日本はメンバー発表当初はバックアップだったMF林が先発に名を連ねるなど、1-1で引き分けたカナダとの初戦からスタメン5人を入れ替えた。その林がボランチの位置から積極的に前線に絡み、左サイドの杉田も攻守に躍動するなど、入れ替えた先発メンバーが好プレーを見せる。
 
 何度かゴール前まで攻め込まれたものの、守備陣がしっかり対応し、立ち上がりに失点したイギリスとの初戦とは対照的な内容で試合を進めた。26分にはMF塩越が高い位置でボールを奪い、後方からフォローした林がミドルシュートを放つ。31分には杉田のインターセプトからカウンターで攻め込み、塩越のパスを受けたFW田中が右足で狙ったが、惜しくも左に外れて決まらず、前半は0-0で終えた。

 後半は一転して相手のスピードと高さに押し込まれるようになり、熊谷と南のCBコンビなどが懸命の対応でしのぐ。高倉麻子監督は55分にFW椛木、67分にはMF遠藤と三浦を同時に投入して流れを変えようとするものの、イギリスの圧力を受ける時間が続いた。

 すると74分、初戦でチリから2得点を奪い、過去に日本戦で何度もゴールを決めている『日本キラー』のFWホワイトに先制点を奪われる。右SBブロンズのニアサイドへのセンタリングの落下点にはMF中島がおり、GK山下も飛び出したが、飛び込んできたホワイトに先にヘッドで触られ、ファーサイドに流し込まれた。

 リードを許した日本は81分から先発を外れていたFW岩渕が交代出場したが、最後までゴールは奪えず、0-1で痛恨の黒星。2連勝でグループ首位のイギリスが2位以上を確定させ、ベスト8進出を決めたのに対し、日本は1分け1敗の勝ち点1。勝ち点4で2位のカナダに次ぐ3位で最終戦に臨む苦しい状況となった。

 それでもチリとの最終戦に勝って勝ち点を4に伸ばせば、同時刻開始のイギリス-カナダ戦の結果次第で2位に浮上し、3位のままでも、各グループの3位のうち上位2チームに入ってベスト8に勝ち上がることができる。熊谷は「終始、自分たちの思った形で守れていただけに、あの一つは本当に悔しい」と失点シーンを悔やんだが、「ここで終わりじゃないので、次に向けて良い準備をしたい。この試合は終わってしまったので、チリ戦に向けて、勝ち点3を取ることだけを考えてやっていきたい」と懸命に前を向いた。