6月13日、MS&ADカップ2021が開催され、なでしこジャパンはメキシコ女子代表と栃木県のカンセキスタジアムとちぎで対戦。前半に岩渕真奈、後半に田中美南、籾木結花、木下桃香、遠藤純がゴールを決め、5-1で快勝。東京五輪へ弾みをつける勝利を収めた。

上写真=試合終了間際になでしこジャパンでの初ゴールを挙げた遠藤純(写真◎Getty Images)

■2021年6月13日 MS&ADカップ2021(@カンセキ/観衆3,890人)
日本女子 5-1 メキシコ女子
得点:(日)岩渕真奈、田中美南、籾木結花、木下桃香、遠藤純
   (メ)アリソン・ゴンサレス

なでしこジャパンの切り札に名乗り。「自分のできることを全力で」

 岩渕真奈、田中美南、籾木結花、木下桃香。なでしこジャパンのアタッカー陣がメキシコから次々とゴールを奪う中、「自分も(ゴールを)決めて、気持ちよく終わりたい」と強い思いを胸に抱いて後半にピッチへと入った遠藤純にも、待望の瞬間が訪れた。88分、左サイドから斜めにゴール前へと走り込んで中島依美からのロングパスを受け、「何も考えず、とにかく足を振ろう」と右足でシュートを沈めた。

 出場16試合目にして、なでしこジャパンでの初ゴールを記録。ゴールネットが揺れた瞬間には両手で大きくガッツポーズを見せ、「ずっと点が欲しくて試合に臨んでいても、なかなか決めることができない。その中で(ゴールを)決め切れたのはすごくうれしかったです」と、高ぶる感情を全身で表現した。

 遠藤は自身のゴールの前にも木下の得点をアシストしており、この日は71分からの出場で1ゴール1アシストを記録。短い出場時間で結果を残し、「チームの流れを変えたりとか、そういう選手になりたいとずっと思っています。最初から(の出場)でも途中からでも自分の役割は変わらないので、自分のできることを全力でやって、結果につなげていけたら」と、高倉麻子監督にとっての“切り札”になり得る存在であることも示した。

「18人の数少ない(東京五輪の)メンバーに食い込むためには、結果が大事だと思っていました。最後まで分からないけれど、そこは一つクリアというか、結果を残せてよかったです」

 東京五輪メンバー発表前のラストマッチで残した“ゴール”と“アシスト”という結果を足掛かりに、遠藤はさらなる高みを目指してまい進していく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎Getty Images