柏レイソルは明日1日、東京・国立競技場で『JリーグYBCルヴァンカップ決勝』、サンフレッチェ広島戦に臨む。攻撃の中心として活躍が期待される小泉佳穂は前日練習後に取材に応じ、決戦のポイントを語った。

上写真=国立競技場で行われた前日練習に臨んだ小泉佳穂(写真◎J.LEAGUE)

根幹にあるのはチームの雰囲気の良さ

 ルヴァンカップ決勝の勝負を分けるポイントについて問われると、小泉は独特の言い回しで次のように説明した。

「広島とやると、強制的に広島の戦い方に付き合わされる展開になる。(相手の守備は)マンツーマンなんで、どうしても1個1個のバトルとか、質のところでの勝負に強制的にさせられるシチュエーションが多いと思う」

 柏も広島もスタイルがはっきりしているチームだ。柏はボールを保持してゲームをコントロールすることに重きを置く。一方で広島はマンツーマンの積極守備から速攻を狙う。小泉が言う通り、これまでの対戦ではフィールドのそこかしこで1対1のバトルが展開され、その勝敗によって、試合の流れが決まった印象もある。

 柏とすれば、本来は広島の土俵に上がることなく、自分たちらしさを発揮することが望ましい。例えば、マンマークされる相手と1対1の状況になる前にボールを動かし、前進するという方法だ。だが、広島の素早いプレスと高い強度は、簡単にはそれを許さない。今季リーグ戦の2度の対戦は、いずれも激しい攻防の末に引き分けに終わった。

 明日の決勝は柏らしさを発揮し、勝ち切ることができるのか。小泉は言った。

「そこ(=バトル)で負けないことと、負けるにしても耐えることだったり、もしくは自分たちがボールを握れるんだったら、握る時間を増やすこと。前半の時間の使い方とかとしては結構、大事なポイントになってくるかなと思っています」

 また、ケガ人が続出する中で、それでも柏はJ1で優勝争いを続け、カップファイナルにたどり着いたように、戦力を落とさず戦えることも今季のチームの強みの一つだ。そのことについても小泉は言及した。

「やってきたサッカーが良くて、リーグにしても、ルヴァンにしても、良いゲームをして勝って来れているという実感があるんですけど、でも根幹にあるのは、集団としての雰囲気の良さというか、試合に出ている選手もそうですが、出ていない選手がすごく真摯にサッカーに取り組んでいる。そういう選手が多いことが今年、ケガ人が出ながらも、同じようなクオリティーを維持できてきた大きな要因だと思う。それを明日も出せればいい」

ボール保持に優れ、真摯にサッカーに取り組んできたチームの『らしさ』を引き出すのが、攻撃の中心としてタクトを振るう小泉の役目。その躍動も、聖杯を掲げるために欠かせない要素だろう。