サンフレッチェ広島は明日1日、東京・国立競技場で『JリーグYBCルヴァンカップ決勝』、柏レイソル戦に臨む。今季加入した田中聡は勝てば、自身にとっての初タイトル。並々ならぬ意気込みを持ってプレーしたいと話した。
上写真=国立競技場で前日練習を行うサンフレッチェ広島の選手たち。右から二人目が田中聡(写真◎J.LEAGUE)
構わずにしっかり行く
「じわじわ、来ています」
決勝を翌日に控えて行なった国立競技場での練習を終えた田中聡は、高ぶる気持ちを抑えるように言った。
湘南から今季加入し、ケガにより鮮烈を離れる時期もあったが、主軸に定着。豊富な運動量をベースにしたボール奪取と推進力を武器に今では欠かせない存在になっている。
今季、リーグ戦で対戦した柏との2試合はいずれも引き分けに終わっている。田中は直近のJ1第31節、アウェーのゲームで先発している(89分までプレー)。0−0という結果で決着した試合を踏まえて、明日の決勝はどんな展開になると予想しているのか。
「たぶん、柏も俺らが前から来るのを知っているし、その中でどうやって崩してくるか。そこはすごく大事になってくると思うし、でも自分たちは構わずにしっかり前からマンツー(マン)で、はめに行けたらと思う。そういうプレーを90分間の中でどれだけできるかが勝負の鍵になる」
ハイプレスは広島の特長であり、生命線。ボランチの田中は前線と連動してボールを奪うことが期待されるが、その位置が高ければ高いほど、ゴールまでのルートが広く開かれることになる。
「国立という舞台でサッカーできる喜びと、広島にはタイトル取りに来たので、その夢というか目標というか、それが叶う一戦だと思う」
覚悟を持って移籍した広島で、ついにカップファイナルにたどり着いた。初めての舞台で、狙うは自身にとっての初戴冠。
「死ぬ気で戦いたい」
田中は、本気だ。
取材◎佐藤景