11月2日に行われるJリーグYBCルヴァンカップ決勝は、名古屋グランパス対アルビレックス新潟というカードだ。3年ぶり2度目の優勝を狙う名古屋では、今季限りでチームを去るGKランゲラックが特別な思いで決戦に向かおうとしている。

上写真=ランゲラックは日本での「最後のタイトル」へ照準を定めている(写真◎J.LEAGUE)

■2024年11月2日13時5分キックオフ ルヴァンカップ決勝(@国立競技場)
名古屋グランパスvsアルビレックス新潟
フジテレビ系列で生中継

「チームの一員としてこのトロフィーを」

 ミッチのために。

 今季限りでチームを去ることになったGKランゲラックに、有終のトロフィーを掲げてもらいたい。タイトルにもう一つの思いを乗せて、名古屋グランパスは決勝の舞台に立つ。長谷川健太監督もその一人である。

「シーズン途中でミッチが今シーズン限りになるという話があって、このルヴァンカップで最高の形で送り出してあげたいというのが、選手、スタッフ全員の思いに変わっていきました。準々決勝(サンフレッチェ広島戦)ではミッチがPKを決めて、また止めてという活躍があって、この舞台に立てることができたと思っています」

 そのランゲラックは決勝を翌日に控えて、充実の表情だ。

「雰囲気はすごくいいです。みんな自信もついてますし、ワクワクしてこの試合に臨みたいと思っています」

 2021年のこの大会の優勝も経験している。ただ、「そのときとはまた別のチームになっている」とチャレンジャーであることを強調する。対戦相手のアルビレックス新潟はクラブ初のタイトル獲得に燃えているが、「僕たちは新潟というチームにすごくリスペクトを持っています。バリエーションがあって、いい選手が揃っている」と警戒を怠ることはない。だから、「明日は戦わなければいけない試合になってくる」と引き締めた。

 ファイナルへの大きな力になるのは、周囲からの「ミッチに有終のトロフィーを」という思いだ。それを全身に浴びて、ランゲラックは誇らしく戦う。

「そうやって言っていただいてすごくうれしいです。ただ、自分のためではなく、チームとして、チームの一員としてこのトロフィーを掲げたいと思っています。サポーターの皆さん、ファミリーの皆さんにトロフィーを掲げたいと思ってますし、この会場に来たいと思っていても来ることができない人もたくさんいると思います。だから、何がなんでもこのトロフィーを掲げて、僕たちの地、名古屋に持ち帰りたい」

 ホームに戻ってトロフィーを披露することになれば、もっともっと大きな感謝の言葉がその頭上に降りかかることだろう。