上写真=髪の毛をトリコロールカラーに染め、タイトルへの思いを強調する仲川
写真◎J.LEAGUE PHOTOS

 ルヴァンカップ決勝の地・埼玉スタジアムで、横浜FMが前日トレーニングを行なった。報道陣に公開された冒頭15分では、ランニングやパス回しなどのメニューをこなし、2001年(当時の大会名はナビスコカップ)以来、17年ぶりの戴冠を目指す。

「このスタイルで必ずタイトルを取りたい」

 埼玉スタジアムのピッチに現れた仲川輝人の側頭部は、青、白、赤のトリコロールカラーに染まっていた。

「気合い入っています。染めたのは、一昨日ですかね。ちょっと消えかかっているので、明日まで持つかな……」

 そう苦笑するも、髪の毛をクラブの象徴である3色に染めたのは、タイトルへの強い思いの表れだろう。風貌では人一倍に目立っていたが、「自分が目立つことも大事だけれど、チームのために何ができるか、何をすべきか、ということを整理しながら、決勝戦に臨みたい」と、勝利のために自身の役割を意識している。

「個人としても、F・マリノスとしても、とても重要なタイトル」と、仲川がルヴァンカップ優勝の重みを強調するのには理由がある。「ここ数年、タイトルを取れていない」(仲川)ということもあるが、何より今季からアンジェ・ポステコグルー監督を迎え、Jリーグ屈指のポゼッション志向のチームへと変貌した中でタイトルを取ることで、ここまで追求してきたスタイルへの自信がより深まることを理解しているからだ。

 仲川は「今年一年でチームのスタイルが変わって、このスタイルでタイトルを取れるまであと一歩なので、必ず取りたい」と、決意を新たにし、GK飯倉大樹も「勝利を目指し、自分たちのサッカーを貫き通す」と誓う。

 その中で、優勝のためにFWの仲川に期待されることは明白だろう。

「コンディションも良いし、得点もここ数試合で取れている。この勢いに乗って、明日も得点を決めたい」

 横浜FMの前線を駆け回るスピードスターが、17年ぶりの頂点へ向けてチームをけん引する。

取材◎小林康幸