上写真=鳥取の地で勝ち取ったJ2初昇格! ゲームキャプテンのDF下川陽太を中心に選手たちの喜びが爆発した(写真◎石倉利英)
■2025年12月14日 J2昇格プレーオフ決勝(@Axis:観衆1,487人)
FC大阪 0-4 宮崎
得点:(宮)オウンゴール、吉澤柊、武颯、松本ケンチザンガ
得点王欠場の緊急事態を乗り切る
立ち上がりからお互いにロングスローやCKなどセットプレーでチャンスを作るも得点とはならず、一進一退の攻防が続いたが、29分に意外な形でスコアが動く。宮崎MF井上が左から挙げたセンタリングを、FC大阪DF橋本が足で触ったボールが自陣のゴールに転がり込み、オウンゴールで宮崎が先制点を奪った。
さらに宮崎は42分、FW吉澤が中央約30メートルの距離で味方のパスを胸トラップでコントロールすると、ワンバウンド後の浮き球を右足でミドルシュート。これが鮮やかにゴール右に決まり、リードを2点に広げて前半を終えた。
明治安田J3リーグで4位だった宮崎は昇格のためには勝利が必要で、リーグ戦を3位で終えて引き分けでも昇格となるFC大阪は、後半開始から押し気味に進めて追撃を試みる。だが粘り強く守った宮崎は63分、敵陣右サイドの高い位置でMF奥村が相手に寄せてボールをカットし、こぼれ球をFW松本がセンタリング。FC大阪の守備陣に当たってゴール方向に飛んだボールをFW武が押し込み、3点目を奪った。
宮崎は70分にもMF阿野のセンタリングを、松本がヘッドで決めて4点目。FC大阪は決定的な点差をつけられながらも懸命にゴールを目指したが、最後まで守備が崩れなかった宮崎が完封勝利でJ2初昇格を果たした。
宮崎はリーグ戦で25得点を挙げてJ3得点王に輝いたFW橋本啓吾が、体調不良でメンバー外となる緊急事態。それでも大熊裕司監督が「3日前くらいには(出場は)難しいと分かって、すぐに切り替えた」という準備で、今季リーグ戦38試合で33失点、2番目に失点が少なかったFC大阪の堅守を鮮やかに攻略し、初のJ2昇格を勝ち取った。
取材・写真◎石倉利英
▼出場メンバー
・FC大阪: GK山本透衣、DF堤奏一郎(66分:美馬和也)、川上竜、秋山拓也、橋本陸(73分:舘野俊祐)、MF武井成豪、増田隼司(HT:西村真祈)、澤崎凌大、FW久保吏久斗(HT:望月想空)、島田拓海、利根瑠偉(HT:野瀬龍世)
・宮崎:GK岡本享也、DF松本雄真、黒木謙吾、眞鍋旭輝、下川陽太、MF阿野真拓(80分:坂井駿也)、奥村晃司、安田虎士朗、井上怜(77分:力安祥伍)、FW武颯(89分:江川慶城)、吉澤柊(HT:松本ケンチザンガ)