ガイナーレ鳥取DF松本太一が、控えスタートだった9月6日の明治安田J3リーグ第26節・福島ユナイテッドFC戦で前半15分に途中出場。先発した選手の負傷による緊急事態でピッチに立ち、過去最長のリーグ戦出場となったが、結果は悔しい敗戦となった。目の前で決められた先制点など課題だけでなく手応えも得て、今後のさらなる成長への糧とするつもりだ。

上写真=15分から途中出場した松本は、リーグ戦過去最長の75分プレー。今季ホーム初黒星を喫した結果を胸に今後を見据えた(写真◎石倉利英)

■2025年9月5日 J3リーグ第26節(@Axis:観衆3,036人)
鳥取 1-2 福島
 得点:(鳥)富樫佑太
    (福)森晃太、清水一雅

後半終了間際に失点

 立ち上がりのアクシデントだった。鳥取は3バックの一角で先発していたDF二階堂正哉が相手との接触プレーで負傷し、わずか15分で交代。過去3試合のリーグ戦出場が試合終了間際の数分間だった松本が、代わってピッチに入った。

 福島はゴールキックを短くつないで最終ラインからのビルドアップを狙いつつ、一気に敵陣へロングパスを蹴り込んでくることもあった。32分にはGKのパントキックから攻め込まれて失点。「急きょ出場して、相手がゴールキックを変則的な形でつないだりすることに、最初はあまり適応できなかった」と振り返り、「その流れで失点してしまった。チームを苦しくしてしまったのが悔しい」と厳しい表彰を浮かべた。

「自分たちのボランチをうまく使えばチャンスになるな、とベンチで見て感じていたので、自分が入ってからも相手を見ながら、味方を見ながら、ビルドアップのところはスムーズに試合に入れたと思う」との手応えを得た。一方で32分の失点はマークについていた相手に目の前で決められ、「課題はマークの受け渡し。相手の3トップが入れ替わったところで、自分たちはマンツーマンでついていったけど、受け渡した方が、もしかしたら防げたんじゃないか、もう少しうまく対応できたんじゃないかと思う」と悔しさをにじませる。

 鳥取は78分に追いついたものの、試合終了間際に失点して1-2で敗れ、今季無敗だったホームで初黒星を喫した。13位に後退し、J2昇格プレーオフ圏内の6位が遠ざかる苦境で、二階堂の状況が懸念されるのに加え、同じく3バックのレギュラーでキャプテンのDF温井颯斗が、次節は警告累積で出場停止。過去最長のリーグ戦出場で課題と収穫を得たルーキーは「来週チャンスをもらえたら、前半からもっと声を出して、最終ラインを引っ張っていきたい」と雪辱を誓っていた。

取材・写真◎石倉利英