10月27日の明治安田J3リーグ第34節で、ガイナーレ鳥取とカターレ富山が対戦した。J2自動昇格に向けて勝利が欲しい富山が前半に2点を先行するも、昇格プレーオフ圏内に向けて負けられない鳥取も前半のうちに1点を返す。富山は何とか逃げ切りたかったが、鳥取は後半アディショナルタイムにMF高柳郁弥が同点ゴールを決め、劇的なドローで勝ち点1を分け合った。

上写真=後半アディショナルタイムの90+1分、鳥取は高柳が同点ゴールを蹴り込む。土壇場で勝ち点1を拾った(写真◎石倉利英)

■2024年10月27日 J3リーグ第34節(@Axis:観衆2,345人)
鳥取 2-2 富山
 得点:(鳥)三木直土、高柳郁弥
    (富)碓井聖生、末木裕也

90+1分の同点ゴール

 序盤は一進一退の攻防が続いたが、23分に富山が均衡を破る。CKをはね返されたセカンドボールを拾ったMF松岡が左サイドに浮き球のパスを送り、DF神山がボレーで折り返すと、FW碓井が左足ボレーで合わせてネットを揺らした。

 前日に2位のFC今治が敗れ、自動昇格に向けて勝ち点差を縮めたい富山は28分にも、MF松岡が1点目と同じような位置から右サイドのスペースへ浮き球のパス。走り込んだMF吉平が鳥取DF丸山と競り合いながらボールを残して折り返すと、待っていた末木がワントラップから蹴り込んでリードを広げた。

 だが、ホーム5連勝中で昇格プレーオフ圏内である6位以内を目指す鳥取も、37分に1点を返す。MF小澤が左サイドを突破して送ったセンタリングを、ファーサイドで待っていたMF三木がワントラップから左足で狙うと、富山GK田川も触ったが止められず、クロスバーと左ポストに当たりながらもゴールインとなった。

 後半に入って55分、富山はCKをファーサイドに蹴ってMF河井が折り返したボールを、FW碓井がダイレクトで狙ったが、鳥取GK高麗の正面を突いて決まらず。鳥取は次第にボール支配率を高めて攻め込むが、深く引いてスペースを埋める守備を崩すことができない。

 しかし鳥取は6分と表示された後半アディショナルタイム突入直後の90+1分、MF田中恵が右からアーリークロス。これを富山DF神山が胸で処理しようとしたが短くなり、背後から詰めていたMF高柳が蹴り込んで土壇場で2-2とした。

 その後も鳥取がチャンスを作ったが、富山も逆転は許さず、引き分けで試合終了。劇的な同点ゴールを決めた高柳は「前半に2失点してしまい、自分たちで難しい試合にしてしまいましたが、後半アディショナルタイムに追いつくことができた。勝ちが必要な試合ではありましたが、追いつけたことをポジティブに考えて、残りの試合を戦っていきたい」と今後に目を向けていた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・鳥取: GK高麗稜太、DF丸山壮大(62分:田中恵太)、金浦真樹、二階堂正哉、温井駿斗、MF三木直土(70分:東條敦輝)、高柳郁弥、曽我大地、小澤秀充、FW富樫佑太(70分:長谷川アーリアジャスール)、松木駿之介(62分:田中翔太)

・富山:GK田川知樹、DF大山武蔵(80分:脇本晃成)、今瀬淳也、神山京右、安光将作、MF河井陽介、末木裕也、松岡大智(74分:伊藤拓巳)、井上直輝(65分:松本孝平)、吉平翼(74分:髙橋馨希)、FW碓井聖生(65分:マテウス・レイリア)