ガイナーレ鳥取FW松木駿之介が8月20日の明治安田J3リーグ第24節・奈良クラブ戦で2試合連続ゴールを決めた。チームを勝利に導く活躍の後には、息子と夫人に捧げる『ゆりかご』パフォーマンスも披露。GKとの1対1を制したフィニッシュは、そこに至るまでの過程に手応えを感じたという。

上写真=2-0と突き放すゴールを決めた松木(右から4人目)は、チームメイトとともに『ゆりかご』パフォーマンス(写真◎GAINARE TOTTORI)

「自分自身の強みをどれだけ出せるか」

 1-0で迎えた66分、鳥取はMF高柳郁弥が前線の狭いスペースから、ディフェンスラインの背後へ柔らかいパス。反応して抜け出した松木がGKとの1対1から右足で決め、2-0とリードを広げた。

 松木はゴール裏のファン・サポーターと喜びを分かち合った後、駆け寄ってきたチームメイトとともにベンチ前へ移動。控え選手も出てきて横一列に並び、『ゆりかご』パフォーマンスを披露した。

 5月20日に第一子の長男が誕生して以降、ゴールから遠ざかっていた。7月28日のJ3第23節・FC岐阜戦で1-0の勝利につながる先制点を決めたものの、「息が上がってしまっていて、元気がなかった」ことに加え、「(誕生から)ちょっと時間が経ってしまった」ため、何もせず。とはいえ「これからも、どんどん息子にゴールを見せていきたいので、『ゆりかご』に大きなこだわりはないです」と語っていた。

 にもかかわらず奈良戦で『ゆりかご』をしたのは、愛息が夫人とともに「初めてスタジアムに来ていたから」。さらに「奥さんへ出産の感謝も伝えたくて」披露したパフォーマンスだった。

 右足でゴール左スミに決めた得点シーンは「シュートよりも、動き出しがすごく気持ち良かった」という。動画で見ているセルティック(スコットランド)の日本代表FW古橋亨梧を参考に、「相手のセンターバックに捕まらないようにして」フリーになり、2-1の勝利につながるゴールを決めた。

 シーズン序盤は控えスタートが多かったが、ここ2試合は先発起用に応える結果を出した。それでも「自分自身の強みをどれだけチームのために出せるかは、先発でも控えでも変わらない。与えられた時間の中で結果を残すことしか考えていない」と意気込み、ホーム連戦で今季初の3連勝が懸かる8月24日のFC大阪戦を見据えていた。

取材◎石倉利英