5月19日の明治安田J3リーグ第14節で、ガイナーレ鳥取とSC相模原が対戦した。強い風が吹く中で行なわれた一戦は、相模原が風上に立った前半に先制。後半は風上の鳥取が反撃に転じたものの、相模原が2点を追加し、今季リーグ戦最多の3得点を奪ってリードを広げた。その後のピンチもしのいで敵地で4試合ぶりの勝利を収め、昇格プレーオフ圏内の4位に浮上している。

上写真=相模原(白)が3試合連続となる無失点、敵地で鳥取を下して4試合ぶりの勝利を収めた(写真◎石倉利英)

■2024年5月19日 J3リーグ第14節(@Axis:観衆1,589人)
鳥取 0-3 相模原
 得点:(相)加藤大育、牧山晃政、伊藤恵亮

9位まで後退も、再び4位に浮上

 数日前までは最高気温が30度になるとの予報だった鳥取地方だが、当日は予想に反して気温が上がらず、気温は公式記録で21・3度。試合中は強い風が吹く時間が長く、肌寒さすら感じる中で試合が進んだ。

 前半は風上に立った相模原がゴール前のシーンを多く作ったものの、鳥取もカウンターでチャンスを作り、一進一退の攻防が続いていたが、35分に相模原が均衡を破る。ロングスローをはね返された後のセカンドチャンスから攻め込み、エリア内左サイドに走り込んでパスを呼び込んだMF前田がセンタリング。ロングスロー後に前線に残っていたDF加藤がヘッドで合わせ、ゴール右に決めた。

 鳥取は前半終了間際、CKからDF大城がヘッドで合わせたシュートを、ゴール前にいたFW富樫が頭で触ってコースを変えて狙ったものの、上に外れて決まらず。それでも後半は風上に立ったこともあり、前半よりも敵陣に侵入する回数を増やしていた。

 だが相模原は56分、DF高野が自陣から相手ゴール前までドリブルで一気に運ぶカウンターで攻め込み、左足シュートは鳥取GK櫻庭に止められたものの、このプレーで得たCKから追加点を奪う。前田のキックをDF山下がヘッドで狙うと、相手選手に当たってこぼれたボールをMF牧山が左足ボレーで蹴り込み、Jリーグ初ゴールとなる2点目を奪った。

 なおも攻め込む相模原は66分、MF橋本の右からのセンタリングをFW髙木がヘディングシュート。クロスバーに当たって大きく浮いたボールを、詰めていたFW伊藤が押し込んで3-0とした。

 その後は鳥取もセットプレーなどでチャンスを作ったが、86分に敵陣でのボール奪取からFW宮田が右足で狙ったシュートが相模原GK三浦に止められるなど、最後まで得点を奪えず。相模原が3試合連続となる無失点に抑え、4試合ぶりの勝利を飾った。

 今季開幕から昇格プレーオフ圏内につけていた相模原は、第11節から前節までの3試合連続ドローで圏外の9位に交代していたが、今季最多の3得点を奪っての完封勝利で再び圏内の4位に浮上。試合後の会見冒頭で「良いゲームだった」と語った戸田和幸監督は、「準備から、試合の最後のホイッスルが鳴るところまで、続けてきたことと、今週取り組んできたことを、すべての選手が本当によくやってくれた。素晴らしい内容と結果をありがとう、と伝えました」と選手たちを称賛していた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・鳥取:GK櫻庭立樹、DF田中恵太、大城蛍、二階堂正哉、温井駿斗、MF東出壮太(62分:三木直土)、普光院誠、世瀬啓人、小澤秀充(77分:木下慎之輔)、FW富樫佑太(70分:東條敦輝)、田中翔太(62分:宮田和純)

・相模原:GK三浦基瑛、DF加藤大育、山下諒時、田中陸、高野遼(70分:金城ジャスティン俊樹)、MF牧山晃政(60分:岩上祐三)、徳永裕大、橋本陸、前田泰良(87分:ファブリシオ・バイアーノ)、FW藤沼拓夢(60分:髙木彰人)、伊藤恵亮(87分:瀬沼優司)