5月3日の明治安田J3リーグ第12節で、ガイナーレ鳥取と大宮アルディージャが対戦した。前半に先制点を奪った大宮が、その後のピンチをしのぐと、後半も決定力を見せつけて2得点を追加。完封勝利で開幕からの無敗と首位を守った上、他会場の結果で2位との勝ち点差を8に広げて独走状態に入った。

上写真=快晴の中で行なわれた鳥取と大宮の一戦。鳥取が完封勝利で開幕からの無敗を守った(写真◎石倉利英)

■2024年5月3日 J3リーグ第12節(@Axis:観衆4,272人)
鳥取 0-3 大宮
 得点:(大)藤井一志2、杉本健勇

「極めてまれなスケジュールの中で、よくやり切った」

 鳥取地方は前節に続いて朝から快晴で、試合中も強い日差しが照りつける中での一戦。公式記録で気温は23・1度まで上がったが、試合開始前から風が強くなり、日陰では涼しさを感じる中で試合が進んだ。

 立ち上がりは風上に立った鳥取が何度か敵陣深くまで攻め込んだが、大宮が少ないチャンスを生かして先制する。17分、左サイドのスペースでパスを受けたMFアルトゥール・シルバがニアサイドへセンタリングを送ると、鳥取GK櫻庭がキャッチできずにファンブルし、詰めていたFW藤井が押し込んで均衡を破った。

 その後は鳥取の時間帯となり、26分には左サイドからパスをつないで攻め込むと、攻め上がったDF田中恵が右足でミドルシュート。だが大宮GK笠原に右手でセーブされ、クロスバーに当たって決まらない。40分には中央を破り、FW富樫のパスをFW東出が右足で狙ったが上に外れた。

 大宮が1-0とリードして迎えた後半、追い付きたい鳥取はチャンスを作るものの、56分にMF小澤のセンタリングをFW東出がヘッドで狙ったシュートはクロスバーの上へ。60分にはFW東出が右サイドを抜け出し、ファーサイドへのセンタリングをMF小澤が左足で合わせたが、当たり損ねてGK笠原にキャッチされた。

 対照的に大宮は、チャンスを確実に仕留めてリードを広げていく。64分、カウンターからFW杉本のパスに反応したFW藤井がエリア内左サイドへボールを運ぶと、対峙した相手DFをドリブルで振り切り、右足で蹴り込んで2点目。69分にはMF下口のセンタリングを、FW杉本が打点の高いヘッドで合わせて3-0とした。

 鳥取はその後の選手交代で何とか1点でも返そうとするものの、しっかりはね返した大宮が無失点に抑え、開幕からの無敗と首位を守った。第3節が4月21日に行なわれたため、この試合までアウェー3連戦という過酷な日程を3連勝で終え、長澤徹監督は「極めてまれなスケジュールの中で、よくやり切ったと思う」と選手たちの頑張りを評価。さらに他会場の結果によって2位・アスルクラロ沼津との勝ち点差が9に広がり、完全に独走状態に入った。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・鳥取:GK櫻庭立樹、DF田中恵太、大城蛍、二階堂正哉、温井駿斗(85分:曽我大地)、MF松木駿之介(73分:長谷川アーリアジャスール)、普光院誠、世瀬啓人(81分:東條敦輝)、小澤秀充、FW東出壮太(73分:常安澪)、富樫佑太(73分:田中翔太)

・大宮:GK笠原昂史、DF村上陽介、市原吏音(86分:関口凱心)、浦上仁騎、MF下口稚葉(86分:鈴木俊也)、中野克哉(67分:高柳郁弥)、小島幹敏、アルトゥール・シルバ、泉柊椰(73分:泉澤仁)、FW藤井一志(73分:シュヴィルツォク)、杉本健勇