ガイナーレ鳥取FW田中翔太が、悔しい結果を次へのエネルギーに変える。4月24日のJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・浦和レッズ戦ではシュートゼロに終わり、高校の同期に先制点を決められる悔しさを味わった。リーグ戦での結果にも満足することなく、さらなる活躍を期している。

上写真=浦和戦の55分、田中翔はシュートではなくパスを選択したがゴールキックに。左後方に写っているのが高校の同期・武田(写真◎石倉利英)

「同じ失敗をしないようにするだけ」

 浦和で先発したMF武田英寿は青森山田高(青森)の同期で、父親同士も仲が良いという存在。プロのピッチで再開した一戦を「同じ高校で、同じ前線でプレーしていたヒデと、相手でしたが、同じピッチで戦えてよかった」と振り返った。ただ、その武田に浦和での初ゴールとなる先制点を決められ、「決められたと思ったらヒデで、悔しかった」という。

 自身はシュートゼロで61分に交代で退いたが、56分にチャンスはあった。DF田中恵太からのセンタリングをエリア外右サイドで受けたものの、右前方にいたMF東出壮太へのパスを選択。だが東出とのタイミングが合わず、流れてゴールキックとなった。

「トラップしたときにゴールが見えていなくて、一つ運んでしまった。そのときに東出選手が見えたのでパスを出しましたが、映像を見直すと、最初の位置でシュートを打てたと思う」と語る。鳥取は2-5の大敗を喫したが、「同じ失敗をしないようにするだけ。あの位置でパスを受けたら、次はシュートを打っていきたい」と今後に目を向けた。

 新潟医療福祉大から加入1年目の今季、明治安田J3リーグでは第10節まで全試合に出場し、チーム最多の3得点を挙げている。それでも「まだ3ゴールしか決めていない。チャンスを全部決めていれば、あと3、4点は取れていたと思うので、まだまだ決定力不足」と自己評価は厳しく、今後に向けて「1本のシュートに気持ちを込めてプレーすれば、得点も増えてくると思う。試合に出たら貪欲にプレーしたい」と気持ちを新たにしていた。

取材・写真◎石倉利英