ガイナーレ鳥取DF大城蛍が、JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・浦和レッズ戦の経験を次につなげていく決意を語った。浦和FW興梠慎三とのピッチ上での再会もあった一戦は、5失点で完敗。体感したJ1クラブのレベルを忘れることなく、これからのJ3での戦いにつなげていこうとしている。

上写真=大城は62分から途中出場した興梠に駆け寄り、両手で握手した(写真◎石倉利英)

「今後の指標になる」

 62分、FWチアゴ・サンタナとの交代で興梠がピッチに入ってくると、大城はプレー再開前に駆け寄り、両手を差し出して握手を交わした。

 浦和ユースからトップチームに昇格した2019年、練習でマッチアップして「本当に衝撃を受けた。これが日本のトップレベルか、と痛感したことを鮮明に覚えている」という存在。「お世話になっていたので、あいさつさせてもらった」と語るように、今度は対戦相手としてマッチアップする前に、偉大な先輩ストライカーに敬意を示した。

 ただ、その時点で1-4と大量リードを奪われており、最終的に2-5で敗れた。「選手個々のクオリティーは、自分が1年目(2019年)に経験したものと変わっていなかった。あの迫力は、あの場でしか感じることができない。久々に感じられて、今後の指標になると思っている」と語る一方、「いまは悔しい思いが一番強い」と厳しい表情を浮かべた。

  古巣と対峙して「価値観をぶっ壊されて、意識も変わった」という経験を経て、再び明治安田J3リーグの戦いが始まる。浦和戦を「自分たちのミスでの失点がほとんど。あのプレッシャーの中でもビビらずにパスを受けたり、怖がらずにプレーできていれば失点も減ったと思う」と振り返り、「J3でもビビらずにやれるかが大事だと思う。前を向いて、チャレンジし続けるしかない」と今後を見据えていた。

取材・写真◎石倉利英