FC今治にMF宁方泽(ニン・フォンゾン)が期限付き移籍で加入することが決まり、3月12日に記者会見が行なわれた。年代別中国代表に選出された経験を持ち、クラブが提携している中国スーパーリーグの浙江FCのアカデミーからトップチームに昇格した18歳のアタッカーが、Jリーグに挑戦する。

上写真=左から今治の岡田武史・代表取締役会長、宁方泽、浙江FCの焦鳯波・代表取締役社長。提携クラブ間の期限付き移籍となった(写真◎FC.IMABARI)

「今日は本当に特別な日です」

 浙江FCは旧名の『杭州緑城』時代に、今治の岡田武史・代表取締役会長が監督を務めたクラブ。2016年から提携している今治は、育成年代のチームにおいて理念・チーム編成・指導法・評価方法の確立といった指導体制を構築するため、日本人コーチを派遣してサポートしてきた。

 2005年9月11日生まれの宁方泽は、2015年に浙江FCのU12チームに加入すると、日本人コーチの指導を受けながらU15、U17とステップアップし、2022年にトップチームに昇格。スピードを生かした突破や左右両足のキック、得点力の高さが持ち味のアタッカーで、U-13からU-17までの年代別中国代表にも選出されている。
 
 今治里山スタジアムで行なわれた会見で、岡田会長は「浙江FCとは、いろいろな部分で提携してきましたが、今回ついにトップチームの選手がプレーすることになりました。子どものときから日本人コーチの元で育ち、Jリーグでプレーするチャンスを勝ち取ってくれたと思っている」とあいさつ。「高いレベルでのプレー、またはプレッシャーの中でのプレーに慣れてくれば、十分活躍してくれると信じている」と期待を寄せた。
 
 また浙江FCの焦鳯波・代表取締役社長は「今日は本当に特別な日です。宁方泽選手にとってだけでなく、浙江FCにとっても特別な日だと思います」と喜びのコメント。将来も見据えて「今回の期限付き移籍も、一つの新しい提携の形です。これから、もっともっと日中サッカーの架け橋になれるような選手をたくさん送りたい」と語った。

 宁方泽は、まず「焦社長と岡田会長、そして2つの優秀なクラブに感謝いたします。チャンスをいただき、本当にありがとうございます」と感謝し、「9歳で浙江FCに入ってから、ずっと日本人の監督を見てきたので、日本サッカーと日本の指導者に対して深い感情を持っています。自分がチームに入ってから、慣れるのも早いのではないかと思う」と自信をのぞかせた。明治安田J3リーグで開幕3連勝を飾り、悲願のJ2昇格に向けて好スタートを切ったチームで、ポジション争いに食い込んでいけるか注目される。