2月25日の明治安田J3リーグ第1節で、FC今治とガイナーレ鳥取が対戦した。今季から指揮を執る新監督のチーム同士の一戦は、前半に今治のFWマルクス・ヴィニシウスが先制ゴール。鳥取は後半、選手交代を交えて反撃に転じたものの、公式記録ではシュート1本に終わり、今治は追加点こそ奪えなかったが1点を守り切り、ホームでの開幕戦を飾った。

上写真=今治は42分、マルクス・ヴィニシウス(左から2人目)がヘッドで先制点。これが決勝ゴールとなった(写真◎石倉利英)

■2024年2月25日 J3リーグ第1節(@里山S:観衆4,005人)
今治 1-0 鳥取
 得点:(今)マルクス・ヴィニシウス

「全員が体を張ってつかんだ勝ち点3」

 今治のホーム、今治里山スタジアムでの開幕戦には4000人を超える観客が来場。公式記録で気温8・3度、後半は冷え込む時間帯もあったが、心配された雨は降らない中で熱戦が繰り広げられた。

 立ち上がりから鳥取が最終ラインでパスをつないで前進を試みるが、なかなか敵陣までボールを運べず、逆に今治がボール奪取後にスペースを突いてゴールに迫る。18分にはエリア内中央への縦パスに反応したマルクス・ヴィニシウスがヘッドで狙ったが、この日がJリーグデビュー戦の鳥取GK櫻庭がセーブ。38分にはMF新井がゴール前中央から右足で狙うも、これも櫻庭がセーブした。

 スコアレスの状況が続いたが、前半のうちに今治が均衡を破る。42分、DF加藤が左からセンタリングを送ると、マルクス・ヴィニシウスが守備網の間に走り込み、ヘッドで合わせてネットを揺らした。

 今治は後半開始直後にもFKからマルクス・ヴィニシウスがヘッドで狙うが、またも櫻庭が好セーブ。前半シュートゼロに終わった鳥取は、後半も思うように敵陣深くまで攻め込めなかったが、59分にFKのこぼれ球をMF東出がエリア内右サイドから右足で狙い、ようやく初シュートを放つも決まらない。

 鳥取は61分にFW田中翔、MF常安を投入すると、田中翔へのロングパスなどで攻撃の迫力が増したが、シュートには至らない。今治は追加点こそ奪えなかったものの、鳥取のシュートを前述の東出の1本に抑え、最後まで1点を守り切って完封勝利を収めた。

 就任初戦を白星で飾った今治の服部年宏監督は「最終的にシュートを1本しか打たれていないので、本当に全員が頑張ってくれた」とコメント。「試合前、選手に『サポーターに勝ちたいという気持ちを見せろ。俺が会見で、相手の方が勝ちたい気持ちが強かったですと絶対に言わせるな』と話して、それもあってか選手たちが頑張ってくれたと思う。苦しい時間帯もありましたが、全員が体を張ってつかんだ勝ち点3」と選手たちの頑張りを称えた。

取材・写真◎石倉利英

▼出場メンバー
・今治:GKセランテス、DF市原亮太、白井達也、福森直也、加藤徹也、MFトーマス・モスキオン、山田貴文(70分:髙瀨太聖)、新井光、近藤高虎(90+2分:弓場堅真)、FWマルクス・ヴィニシウス、阪野豊史(86分:松本雄真)

・鳥取:GK櫻庭立樹、DF田中恵太、二階堂正哉、温井駿斗、小泉隆斗、MF曽我大地(61分:常安澪)、世瀬啓人(82分:長谷川アーリアジャスール)、普光院誠、東出壮太(73分:小澤秀充)、FW三木直土(73分:西田結平)、富樫佑太(61分:田中翔太)