ガイナーレ鳥取FW大久保優が、4年間プレーした鳥取でのラストマッチに意気込んでいる。すでに今季限りでの契約満了が発表されているが、発表翌日に行なわれた前節はチームを勝利に導く逆転ゴール。最終節はホームのファン・サポーターの前で、惜別のゴールを決めるつもりだ。

上写真=鳥取での最後の試合となる最終節に向けて練習を重ねる大久保(写真◎石倉利英)

「そんなに狙ったわけではなかった」

 11月26日の明治安田生命J3リーグ第37節・奈良クラブ戦で、大久保は9月の第27節以来10試合ぶりとなる控えメンバーに入り、74分から出場。勝たなければJ2昇格の可能性がなくなる一戦で、鳥取は77分に先制点を奪われた。
 
 だが89分に追いつくと、後半アディショナルタイムの90+3分、相手GKのパントキックが大久保の元へ。そのままドリブルで持ち込み、左足で蹴り込んで劇的な逆転ゴールとなった。GKの右側を抜いたシュートは、「とりあえず(ゴールの)枠に入れようという感じで、そんなに狙ったわけではなかった」という。
 
 関西大から2020年に加入したストライカーは、4年目の今季限りでの契約満了が試合前日に発表されていた。決めた後はゴール裏へと走り、スタンド越しにファン・サポーターと抱擁。「4年間、どんなときも声援を送ってくれたファン・サポーターの皆さんのところに向かった」と振り返る思いで喜びを分かち合った。

 鳥取は2-1で勝利したものの、他会場の結果でJ2昇格の可能性は消滅。それでも2連勝と調子を上げ、ホームで鹿児島ユナイテッドFCと対戦する12月2日の最終節を迎える。鹿児島のJ2昇格が懸かる一戦は、大久保にとって鳥取でのラストマッチ。「しっかり自分のプレーを見せたい」と意気込み、今度はホームのファン・サポーターを喜ばせるゴールを決めることを誓った。

取材・写真◎石倉利英