サンフレッチェ広島からFC今治に期限付き移籍しているMF土肥航大が、明治安田生命J3リーグでのJ2昇格への貢献と、復帰して広島で活躍する決意を語った。ゴールやアシストなどの目に見える結果で今治を昇格に導き、自分と同じユース出身選手が活躍する広島に戻って躍動する姿をイメージしている。

上写真=今季途中から今治でプレーしている土肥。中盤の一角で先発出場を続けている(写真◎石倉利英)

「自分自身がやることは変わらない」

 10月1日のJ3第29節でガイナーレ鳥取とアウェーで対戦した今治は、開始3分に先制される苦しいスタート。27分に追い付いたものの、61分に勝ち越し点を奪われ、1-2で敗れて6試合ぶりの黒星を喫した。

 アンカーでフル出場した土肥は、試合後に「相手のロングボールが増えてきて、自分がアンカーで1人だったので、セカンドボールを拾われるシーンが多かった」とコメント。3分に警告を受けており、「ファウルを取られそうだったので、様子を見ながらプレーすることになった。前半のイエローカードが、もったいなかった」と続けた。

 それでもタイミングを見てゴール近くまで顔を出し、55分にはエリア内のFW阪野豊史へ浮き球のパスを送って、ポストプレーからのMF近藤高虎の決定機を演出した。だが勝利に導くことはできず、「もう少し攻撃に絡みたかった」と悔しそうに振り返っている。

 大阪府出身で、高校時代はサンフレッチェ広島ユースでプレー。高校3年時の2019年9月にプロ契約を締結し、20年、21年とJ1リーグでも出場機会を得ていたが、22年は水戸ホーリーホックに期限付き移籍した。

 さらに今季はヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍していたが、7月に移籍先を今治に変更。J3では加入後2試合目から鳥取戦まで10試合連続で先発出場しているものの、「カテゴリーは違いますが、自分自身がやることは変わらない。球際の争い、走力などをもっと見せていきたいし、ゴールやアシストなどの結果を残したい」と、より具体的な活躍の必要性を感じている。

 広島の試合は常にチェックしており、鳥取戦の前日、ホームで名古屋グランパスに3-1で逆転勝利した試合もDAZNで見ていた。「毎試合、見ています。自分もやれるという気持ちを、いつも持っている」と語り、多くのユース出身選手が躍動している姿を自分と重ね合わせている。

 特にMF野津田岳人やMF川村拓夢は、期限付き移籍で経験を積み、復帰して主力となっているユース出身選手。「拓夢くんは愛媛FCに期限付き移籍して、復帰して活躍しているので刺激になります。自分も負けていないと思うので、広島に帰って結果を残したい」と意気込む。

 とはいえ、もちろん現在は今治のJ2昇格が最大の目標だ。「今治の力になるために、日々やっています。今日も難しい時間帯はありましたが、引き分けにはできたと思う。もっとこだわっていきたい」と語り、残り9試合のリーグ戦への決意を新たにしていた。

取材・写真◎石倉利英