ガイナーレ鳥取MF丸山壮大が悔しい経験を糧に、調子が上向いているチームへの貢献を期している。前々節のリーグ戦ではリードして迎えた試合終了間際に効果的なプレーができず、失点のきっかけを作ってしまったが、前節はピッチ上で勝利の瞬間を迎え、今後より多くの出場機会を得るべく燃えている。

上写真=今季は第17節まで7試合に出場している丸山。チャンスを増やすために日々の練習に取り組んでいる(写真◎石倉利英)

「くよくよしていても状況は変わらない」

 7月8日の明治安田生命J3リーグ第17節でテゲバジャーロ宮崎とアウェーで対戦した鳥取は、2-0で迎えた後半アディショナルタイムの90+2分、DF文仁柱に代えて丸山を投入。そのまま2-0で試合終了となった約2分間のプレーについて、丸山は「前節のことがあったので、しっかり試合を終わらせて勝てるように意識した」と振り返った。

「前節のこと」と語った7月1日の第16節、ホームでのFC大阪戦で苦い経験をしていた。2-1とリードした状況で、丸山は宮崎戦と同じ90+2分から交代出場。5分と表示された後半アディショナルタイムの94分10秒過ぎ、自陣右サイドでこぼれ球を拾った。

「残り時間が少なかったので、スペースにボールを運んで時間を稼ごうと思ったのですが、考えていたよりもボールが外側に行ってしまった」と振り返る。前線ではFW澤上竜二がスペースに走り出そうとしていたが、「そこまで見えていなかった」ため、そのままドリブルを選択した。

 寄せてきた相手2人のうち1人が止まったことで「内側にドリブルできると思った」が、ボールを奪われ、奪い返そうとしたプレーがファウルに。自陣で与えたFKをゴール前に送られたロングボールから失点し、2-2で引き分けた鳥取は、目前に迫っていた今季ホーム初勝利を逃した。

 映像を見返して反省した一方、「くよくよしていても状況は変わらない。次に試合に出たときに同じミスをしないように、自分でしっかり考えて、練習から取り組んできた」という。苦い経験から学んだ宮崎戦は最終ラインに入り、相手ボールにプレッシャーをかけたりしながら勝利の瞬間を迎えた。

 東京農業大から加入して2年目の今季、前節までのリーグ戦出場は7試合・計211分間。「出場時間が短いので、練習からアピールして増やせば、自分の特徴も出していける」と語り、「ボランチでプレーする上で以前から言われているのは、ビルドアップのときに安定して前にボールを運ぶこと。それを継続しつつ、自分の長所である守備力を発揮していけば、もっと試合に絡めると思う」と言葉に力を込める。

 鳥取は第14節終了後に金鍾成監督を解任し、増本浩平ヘッドコーチが監督となってから3試合で2勝1分け。調子が上向いているチームで、より多くのチャンスをつかむべく意気込んでいる。

取材・写真◎石倉利英