6月4日の明治安田生命J3リーグ第12節で、ガイナーレ鳥取とFC岐阜が対戦した。前半に鮮やかなロングカウンターで先制した岐阜が、後半にショートカウンターで加点。その後に鳥取も1点を返し、さらに攻め込んだものの、岐阜が1点差で競り勝って連勝を3に伸ばした。

上写真=相手のミスを突いて2点を奪った岐阜。鳥取に1点を返されたものの、1点差で逃げ切った(写真◎石倉利英)

■2023年6月4日 J3リーグ第12節(@Axis:観衆1,711人)
鳥取 1-2 岐阜
 得点:(鳥)牛之濵拓
    (岐)ンドカ・チャールス、田中順也

・鳥取メンバー◎GK糸原紘史郎、DF田中恵太、増谷幸祐、鈴木順也、普光院誠、MF牛之濵拓、世瀬啓人、長谷川アーリアジャスール(69分:丸山壮大)、富樫佑太(69分:髙尾流星)、FW大久保優(56分:小澤秀充)(83分:文仁柱)、重松健太郎

・岐阜メンバー◎GK茂木秀、DF松本歩夢(59分:柏木陽介)、DF藤谷匠、川上竜、宇賀神友弥、MF庄司悦大、生地慶充、窪田稜(86分:田口裕也)、村田透馬(78分:上野輝人)、FW藤岡浩介(86分:和田侑樹)、ンドカ・チャールス(59分:田中順也)

相手のミスを見逃さず

 朝から快晴となった鳥取市は気温がぐんぐん上がり、公式記録の気温は26・0度。ピッチ上には強烈な日差しが照りつけ、プレーが切れるたびに両チームの選手たちが水分を補給するシーンが見られた。

 立ち上がりから今季ホーム初勝利を狙う鳥取が意欲的に攻め込んだが、先制したのは岐阜。12分、岐阜陣内の深い位置でMF富樫が倒れて一瞬、動きが止まった鳥取のスキを突いてボールを前に運ぶと、インターセプトを狙った鳥取DF増谷がタックルしたがボールに触れず、そのままロングカウンターに。増谷と入れ替わって持ち出したFW藤岡がFWンドカ・チャールスにパスを送り、完全にフリーとなってボールを運んだンドカが、鳥取GK糸原紘史郎との1対1を制した。

 岐阜は20分にもDF宇賀神が、CKをエリア外中央で待ってワントラップから右足で狙ったが、右ポストに当たって決まらず。鳥取は27分にDF普光院がミドルシュートを放ったが上に外れ、28分にはDF田中が右サイドからニアサイドを狙うも、岐阜GK茂木が防いだ。

 鳥取は1点ビハインドで迎えた後半、49分に普光院のセンタリングがファーサイドのFW大久保に通ったが、右足ボレーでとらえ切れず。岐阜も51分、ロングスローのこぼれ球がゴール前でフリーのMF窪田に渡るも、左足ボレーは大きく上に外れた。

 一進一退の攻防から61分、岐阜が追加点を奪う。直前に交代出場したMF柏木が左サイドにロングパスを送り、鳥取GK糸原がエリア外に出て田中につなごうとしたところで、MF村田がインターセプト。同じく交代出場したばかりのFW田中が流れてきたボールを拾い、切り返しから左足で蹴り込んだ。

 ショートカウンターでリードを広げた岐阜に対し、鳥取は途中出場のMF小澤のプレーから1点を返す。左サイドでパスを受けてドリブルでエリア内に入り、相手DFに寄せられながらも中央にパスを送ると、MF牛之濵が左足で決めた。

 その後は同点、逆転を目指して攻め込む鳥取に対し、岐阜もカウンターから追加点を狙うオープンな展開に。終盤は鳥取の攻撃の圧力が上回り、5分と表示された後半アディショナルタイムには波状攻撃を見せたものの、岐阜は体を張って守り抜き、1点差で逃げ切った。

 第6節から4連敗と苦しい時期があった岐阜は、その後の連勝で持ち直し、この日の勝利で連勝を3に伸ばした。上野優作監督は「前半は良い形で、狙っていたカウンターから得点を取ることができた。その後に鳥取さんの猛攻を何とかしのいだところが勝因だと思う」とコメント。終盤は苦しんだものの、「最後は少しシステムをいじって、引くことなく2-1で勝つことができたのは、FC岐阜にとって非常に大きかった」と振り返った。

現地取材・写真◎石倉利英