上写真=アーリアは中盤の一角で加入後初出場。2点をリードされている状況で、攻撃を活性化する働きを見せた(写真◎石倉利英)
■2023年4月29日 J3リーグ第8節(@Axis:観衆1,661人)
鳥取 0-2 奈良
得点:(奈)浅川隼人2
「この状況を変えられるのは自分たちだけ」
昨季限りでFC町田ゼルビアを契約満了となってから無所属の状態が続き、今季開幕後の4月11日に鳥取への加入が発表されたアーリアは、奈良クラブとのホームゲームで加入後初のベンチ入り。0-2で迎えた69分に交代出場し、新天地でのデビューを飾った。
鳥取は55分に退場者を出し、10人で2点を追う状況だったが、「退場して1人少なくて、0-2という難しい状況でしたが、ホームの試合ですし、最後まであきらめないで攻撃的にいくという指示も受けていた」。中盤を幅広く動いてパスを呼び込み、83分にはMF馬場琢未にスルーパスを送って決定機を演出するなど見せ場も作った。
しかし鳥取は最後まで1点が遠く、0-2で敗戦。アーリアは「もう少し思い切りの良いシュートや、サイドへのフィードができればよかった」と反省点を挙げつつ、「この状況を変えられるのは自分たちだけなので、次に向けてしっかり準備したい」と次節以降を見据えた。
結果とは別に、初陣は感慨深かったという。出場する際は大きな拍手と歓声が起こり、「試合前のアップから僕の昔のチャントを歌ってくれたり、街として僕をここに迎え入れてくれる姿勢が、すごく伝わってきた。みんなの声援は聞こえていたし、かみ締めながらプレーしていました」と喜んだ。それだけに「そういう思いはプレーで返すことしかできないと思っていますし、それが恩返しになると思う」と決意を新たにしている。
金鍾成監督の期待も大きい。「早く(コンディションを万全に)戻すために、試合をしながらフィットさせていきたい思いがある」と今後のプランを明かし、「パスを受けてから前を向いて仕掛けるなどの形を積極的に出せるようになってくれば、チームのプラスになるのは間違いないと思っている」と評価した。
本人も「もっとやれると思う」ときっぱり。開幕2連勝後は4分け2敗と勝ち点を伸ばせない鳥取の起爆剤となるべく、「期待されていることは分かっている。しっかりコンディションを上げてチームの勝利に貢献できるように、練習からやっていきたい」と意気込んでいた。
現地取材・写真◎石倉利英