ヴァンラーレ八戸MF妹尾直哉が、4月9日の明治安田生命J3リーグ第6節・ガイナーレ鳥取戦で加入後初先発。昨季までプレーしていた古巣相手に同点ゴールを決め、結果を残した。開幕から途中出場が続いていたが、指揮官の期待に応えて敵地での勝ち点1獲得に貢献している。

上写真=古巣の鳥取相手に先発し、同点ゴールを決めた妹尾(写真◎石倉利英)

■2023年4月9日 J3リーグ第6節(@Axis:観衆1,515人)
鳥取 3-3 八戸
 得点:(鳥)田村亮介2、東條敦輝
    (八)宮本拓弥、妹尾直哉、佐々木快

「期待に答える仕事をしてくれた」

 昨季まで2年間鳥取プレーし、契約満了に伴って今季八戸に加入した妹尾は、開幕から控えスタートが続いていた。しかし、石﨑信弘監督が試合後に「技術もスピードもあるので、これまで途中から起用してきて、良い仕事をしてくれていた。ケガ人が出て、鳥取戦でもあるので、先発で起用した」と明かした理由で加入後初先発。昨季までのチームメイトと対峙することになり、「気合いが入っていた。積極的にゴールに向かっていくこと、勢いを持って(ゴール前に)入っていくことを意識していた」という。

 前半のシュートはDFにブロックされたり、GKの正面を突いたりしたが、待望の瞬間は1-2で迎えた60分に訪れた。FW宮本拓弥のパスを受けてエリア内右サイドからゴールに迫り、間合いを詰めてきた鳥取GK糸原紘史郎の股間を抜く右足シュートで同点ゴール。前半のプレーを「ミスに対してメンタル的に気負うことなくプレーできた」と振り返り、「それが後半のチャンスを決めることができた要因だと思う」と語ったが、「ほかにもチャンスがあったし、それを決めていれば勝てていた」と反省点も口にしている。

「これまで(プロで)一番多くゴールを決めているスタジアム。すごく良い印象があったし、芝生もきれいでプレーしやすかった」というAxisバードスタジアムで、石﨑監督が「期待に答える仕事をしてくれた」と評価する結果を出した。八戸は64分に3失点目を喫し、妹尾は74分に交代で退いたものの、79分に再び同点ゴールが決まり、3-3の引き分けで5試合負けなしとした。

 開幕戦で敗れたものの、以降は粘り強く勝ち点を積み上げている。さらに浮上していくためのポイントを「先に失点しないことが、すごく大事」と挙げた妹尾は、「今日は勢いにやられたところがあったので、やられそうでも最後のところで耐え抜くことができれば、後半にチャンスが来る。先制点を与えないことが重要だと思う」と今後の戦いを見据えていた。

現地取材・写真◎石倉利英