愛媛FCのFW松田力が、今季初ゴールを含む2得点で勝利に貢献した。前半に先制点を決めると、後半には追いつかれた直後に勝ち越し点を奪い、エースにふさわしい活躍。開幕ホーム2連戦で出遅れたチームを初勝利に導き、試合後はさらなる貢献を誓っていた。

上写真=2得点の活躍を見せた松田が試合後にスタッフとハイタッチで喜びを分かち合う(写真◎石倉利英)

■2023年3月19日 J3リーグ第3節(@Axis:観衆3,702人)
鳥取 2-3 愛媛
 得点:(鳥)重松健太郎、小澤秀充
    (愛)松田力2、曽田一騎

「ここから連勝していきたい」

 これぞエースという働きを見せた。愛媛はホームでの今季開幕戦で、いわてグルージャ盛岡に1-5で大敗。同じくホームでの第2節もAC長野パルセイロに先制され、試合終了間際に何とか追いついたものの、1分け1敗の苦しいスタートを切っていた。「相手は2連勝していて、僕たちは前節の引き分けをプラスにしていかなければいけない。絶対に勝たなければいけない試合だったので、気持ちが入っていた」と振り返った松田は、価値ある2得点で今季初勝利に導き、「結果的に素晴らしい試合ができたと思います」と胸を張った。

 43分の先制点は、前線の連動した守備から。松田を含む複数の選手で追い込んでパスミスを誘い、拾ったMF茂木駿佑のセンタリングをヘッドで合わせた。「映像を見たのですが、良い守備ができたからこそ、ああいうゴールが生まれる」と語った松田は、「モテ(茂木)の素晴らしいボールで、決めるだけだったのでよかった」とアシストに感謝した。

 70分の2点目は、DF山口竜弥のセンタリングが相手に当たってファーサイドに流れたところから、MF曽根田穣からの折り返しを蹴り込んだ。「(流れたところに)ソネ(曽根田)が来ていたのは分かっていた」そうで、「めちゃくちゃフリーだったので、めちゃくちゃ呼びました」と笑顔。愛媛は67分に追いつかれ、一気に逆転されかねない展開だっただけに、貴重な勝ち越し点となった。

 岩手に大敗して「一番ひどい試合をしてしまった」開幕戦を経て、「そこから吹っ切れて、逆に俺らはやるしかないという気持ちになった」という。加入2年目を迎え、「今年は僕にボールを集めたりしてくれている。良い流れができているし、チームも良い雰囲気でやれている」と手応えもつかんでいるが、満足はしていない。「まだ1勝しただけ。ここから連勝していきたい」と力強く語り、ホームに戻ってFC大阪と対戦する3月26日の次節を見据えていた。

現地取材・写真◎石倉利英