11月21日に初めての「2022 J3リーグアウォーズ」が開催された。最優秀選手賞にはいわきFCをJ3優勝とJ2昇格に導いたルーキーFW有田稜が選ばれ、得点王、ベストイレブンと合わせて個人3冠に。最優秀ゴール賞、ベストイレブン、フェアプレー賞、優勝監督賞、優秀監督賞なども発表された。

上写真=J3ではいわきのルーキーFW有田稜が最優秀選手賞、得点王、ベストイレブンの個人3冠(写真◎スクリーンショット)

最優秀ゴール賞はティネッリのドリブルシュート

 明治安田生命J3リーグの最優秀選手賞は、ルーキーストライカーがものにした。J3優勝、J2昇格に導いた有田稜だ。

 17ゴールを挙げて得点王、ベストイレブンにも選ばれて、「個人3冠」がプロキャリアの始まりになった。華々しいスタートだ。

「最初はなかなか出られない時期が長かったですけど、監督やスタッフが足りないところを教えてくれて、1日1日、100パーセントを積み上げてきてこういう結果になりました。主にフィジカル面は強くなった実感はあります」

 そうやって重ねたゴールは、全部で17。「1点取ると気持ちも楽になるので、取ると乗っていくタイプです」とストライカーらしいが、「スタメンを取れるようになった夏頃から体にも変化が表れて、やれる自信がついていきました」と、やはり努力の人だ。

 来季はJ2に挑戦する。最後まで走り続けるいわきのスタイルを思いきりぶつけるつもりだ。

「もっと上のカテゴリーでどれだけできるか挑戦したいと思います。J2に上がってもこういう賞を取れるように積み重ねて頑張りたいと思います。ゴールは最低2ケタは取りたい」

 各賞受賞者と主なコメントは次の通り。

■最優秀選手賞(J3)
FW有田 稜(いわき)

■ベストイレブン(J3)
GK内山 圭(藤枝)
「34試合に出た中で、失点率を1試合1.0以下に抑えたかったので、そのミッションを達成できたので、向上したシーズンになりました。個人的には、最終節の長野戦で安定してやりたいプレーができたと思います」

DF家泉怜依(いわき)
「個人としては、長所である高さや対人の部分が評価されて受賞できたと思っています。プロ1年目で最初は自分が守備で頑張ろうという感じだったけれど、シーズン終盤にチームで守備して攻撃して、と心がけました。チームで協力できたことが成長できた部分です」

DF林堂 眞(富山)
「各チームの監督や選手から評価されて選ばれたので、とても光栄です。これからも自分のプレーを磨いていきたい。今季は8得点でチーム最多と、記録としてはうれしいですけど、僕はディフェンダーなので失点が多いところ、負けることで悔いの残るシーズンでした」

DF安藤智哉(今治)
「今年1年、同じステージで戦い抜いた仲間から評価をいただいて大変うれしく思います。守備では最後のところで体を張ったり、相手の攻撃を跳ね返すところを、攻撃ではセットプレーからの得点を評価されたと思っています」

DF広瀬健太(鹿児島)
「選ばれると思っていなかったので、びっくりしています。監督やコーチ、チームメートの皆さんのおかげだと思っています。今季は後半に失速して不甲斐ない試合をしてしまった。あと一歩で昇格を逃したのは課題なので、しっかり修正していきたい」

MF嵯峨理久(いわき)
「チームの勝利、そして昇格と優勝することに対して自分が貢献することを心がけてプレーしました。個人的にゴールもアシストももっと伸ばせたと思うので、チームを救うプレーがもっとできればと思います。それでも、昇格して優勝できて素直にうれしいです」

MF日高 大(いわき)
「昨年に引き続き、コロナ禍で運営いただいたフロントスタッフや行政の方々、ありがとうございます。サイドを駆け抜けるスピードやクロスボールは評価されたいと思っていたので、このような形で賞をいただけてうれしく思います」

MF山下優人(いわき)
「数字がなかなか残らなくて、選んでもらった理由を見つけるのが難しいです。それでもチームとして戦う上で大事なベースの部分でしっかり表現できたと思います。(いわきから5人が選ばれ)監督が目指すことをやろうとしていることを共有して1年を過ごせたと思います」

MF横山暁之(藤枝)
「(13ゴールをマークし)須藤監督からは、うまい選手ではなく怖い選手になれと言っていただいて、その意識づけで取れるようになったと思います。自分の役割が変わったというより、シーズン最初と比べると自分ができることが増えていると感じています」

FW有田 稜(いわき)

FW有田光希(鹿児島)
「(15得点だが)個人的にはコンスタントにもっと多くの試合で取れたと感じているので、その点では力不足で、まだまだ成長できると思っています。よりゴールを取るポジション取りをチームにさせてもらっていて、最後にボールを預けてもらっていると感じています」

■得点王(J3)
FW有田 稜(いわき) 17得点

■最優秀ゴール賞(J3)
MFロリス・ティネッリ(YS横浜) 第26節・松本戦の先制点
「守備の選手のシチュエーションをよく見た上でシュートして、ゴールにつながったと思います。Jリーグについてポジティブな驚きを感じていて、3部でもこのレベルでプレーできることが自分の成長につながっています。日本に来ることができてよかった」

■優勝監督賞(J3)
村主博正(いわき)
「うれしいというよりみんなへの感謝が大きいです。1試合1試合、目先のことをやってきた結果ですが、23勝できたことは本当によかったです。緊張と不安と楽しみとが混じった中でスタートしましたが、選手が自信をつけていくのを実感していたので、目の前の試合が楽しみでした」

■優秀監督賞(J3)
須藤大輔(藤枝)
「藤枝のフィロソフィーは超攻撃サッカーで、エンターテインメントサッカーを表現して、プレーしている選手も見ている人も心躍るサッカーが大命題です。それでは勝てないという声も聞こえてきましたが、信念を貫き結果も取れたので、いい景色が見えています」

■フェアプレー賞(J3)
カターレ富山、ヴァンラーレ八戸、テゲバジャーロ宮崎、いわきFC、カマタマーレ讃岐、福島ユナイテッドFC、アスルクラロ沼津、愛媛FC、ガイナーレ鳥取、ギラヴァンツ北九州
※反則ポイントが少ない順に記載。賞金は最も反則ポイントが少ない富山のみに授与される

■最優秀育成クラブ賞
柏レイソル