明治安田生命J3リーグは11月20日、最終節となる第34節が行われた。すでにいわきFCがJ3優勝とJ2昇格を決めており、昇格の残る1枠は藤枝MYFCに決まった。アウェーでAC長野パルセイロと対戦し、0-0で引き分けたものの、勝ち点を67として2位を確定した。

上写真=藤枝がアウェーに駆けつけたファン・サポーターと喜びをともにした(写真◎J.LEAGUE)

「これから大きく羽ばたいていきます」と須藤キャプテン

 J3では第33節を終えた時点ですでに、いわきFCがJ3優勝とJ2昇格を決めていた。昇格の残る1枠を最終節となる第34節で、2位の藤枝MYFC、3位の鹿児島ユナイテッドFC、4位松本山雅FCの3チームが争うこととなった。

 勝ち点66の藤枝に対し、鹿児島と松本は3差の63で、藤枝が引き分け以上で昇格を決めることのできる優位な状況。しかも、得失点差では藤枝が+29で、鹿児島の+14、松本の+12を大きく引き離していて、限りなく藤枝がJ2に近い状況でのゲームだった。

 雨の中での一戦は、藤枝がテンポよくボールをつなぎながら、長野が生きのいいカウンターで対抗する展開で試合は進んだ。序盤から球際の激しさが目立ち、今季最終戦への意欲がどちらからもほとばしるが、ゴールに近づくにつれて正確性が薄れていって、なかなか決定機を迎えられない。終盤は長野が押し込む時間が続いたが、ともにゴールは生まれずに0-0のドロー。

 それでも、勝ち点を67に伸ばした藤枝が2位を確保して、初めてのJ2昇格を決めた。

 GKの内山圭が「まずは昇格を目標にやってきましたが、優勝できなかったので、来年の課題としてJ2でも戦っていきたい」と笑顔の中にも引き締めた表情を見せれば、キャプテンのMF杉田真彦は「勝ちで終わりたかったけれど、昇格できてよかったです。ミスを恐れずにチャレンジし続けて超攻撃サッカーをやり続けてきました。まだまだ小さいチームですが、これから大きく羽ばたいていきます」と決意を語った。

 そんなチームを作り上げたのが、須藤大輔監督。

「このチームは前半戦から非常にいい内容だったけれども勝ちきれない中、それでもやり続けてきました。花を咲かせて、清々しい、いい景色が見えています」

 得点、失点ともリーグ2位。「超攻撃的サッカー、エンターテインメントサッカーを表現し続けてきたからこそ、得失点差で優位に立って最終節を迎えることができました。うまくいかないこともあったけれど、最後までブレずに攻撃をして守備もするという哲学のもと、見ている方の心を震わせるサッカーができて、ショーで酔いしれさせることができました。J2でも磨いてより超攻撃サッカーを演じていきたい」と須藤監督は胸を張った。

「大先輩である清水、磐田と同じリーグで肩を並べることができました…で終わることなく、千載一遇のチャンスだと思っています。静岡から藤枝の名を全国に轟かせて、序列を変える一手を打っていきたいと思っています」