10月2日の練習時間外に体調不良を訴え、水頭症の診断を受けて入院していた工藤壮人さんが21日、午後2時50分に死去した。所属するテゲバジャーロ宮崎が発表した。

上写真=今季、テゲバジャーロ宮崎に加入し、プレーしていた工藤壮人さん(写真◎J.LEAGUE)

宮崎に来てくれてありがとう

 工藤さんは今月2日に体調不良を訴え、翌3日に医療機関を受診。11日に手術を行ない、その後、療養していたが、容態が悪化したため、17日からICU(集中治療室)で治療に専念していた。

 21日午後2時50分に死去したことをクラブは発表。宮崎の二村恵太代表取締役社長は公式HPに、追悼コメントを寄せている。

「私たちの大切な仲間である工藤壮人が息を引き取りました。工藤選手を応援するサポーターや関係各所の皆様から、多くの励ましのメッセージをいただいたこと、クラブを代表し、御礼申し上げます。

 工藤選手はJ1で活躍し、日本代表にも選ばれるなど、非常に実績がある選手です。それにも関わらず、驕りなどは一切なく、自分のことだけでなくチームメート、クラブ、そしてサポーターのことを大切にする素晴らしい姿勢の持ち主でした。クラブスローガン「真摯」をまさに体現してくれる存在でした。

 そのような選手のあまりにも早い逝去は、無念で残念でなりません。

 選手、スタッフ、クラブ一同はまだ気持ちの整理ができない状況もございますが、工藤選手が宮崎に、クラブに残してくれたものを大切に引き継ぎ、精進して参りたいと思います。そして、工藤選手が信頼してくれたクラブをより良いクラブにすることで、少しでも恩返しして参りたいと思っております。

 工藤選手、テゲバジャーロ宮崎に来てくれて、力になってくれて、本当にありがとうございました」

 1990年5月6日生まれ、東京都出身の工藤は、U-12から柏レイソルのアカデミーでプレーし、U-15、U-18を経て2009年にトップチームに昇格。鋭い得点感覚を武器に11年のJ1優勝、12年度の天皇杯優勝、13年のJリーグヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)優勝と、国内3大タイトルの獲得に貢献した。

 その後はバンクーバー・ホワイトキャップス(アメリカ)、サンフレッチェ広島、レノファ山口、ブリスベン・ロアー(オーストラリア)でプレー。今季からJリーグに復帰し、宮崎でプレーしていた。