ヴァンラーレ八戸DF板倉洸が、10月16日の明治安田生命J3リーグ第29節・ガイナーレ鳥取戦で1-0の勝利につながる決勝ゴール。攻め上がりから右足で突き刺した一撃で2試合ぶりの勝利に貢献したが、本人は決まったとは思っていなかったという。

上写真=決勝点を決めた板倉。2試合ぶりの勝利につながる活躍だった(写真◎石倉利英)

■2022年10月16日 J3リーグ第29節(@Axis:観衆:1,380人)
鳥取 0-1 八戸
得点者=(八)板倉洸

「ゴールキーパーがキャッチしたのかなと」

 均衡が敗れたのは68分。八戸は左サイドでボールを持ったMF野瀬龍世が後方に下げると、パスを受けた板倉が一つ持ち出してミドルシュート。鳥取GK田尻健の守備範囲かと思われたが、ゴール前の混戦を抜けたボールは田尻の脇の下を抜け、ネットを揺らした。

 シュートを狙ったのは「前半の立ち上がりに同じようなシーンがあって、シュートではない選択をして、相手のカウンターにつながってしまった」というプレーがあったため。「その反省や後悔もあったので、あそこまで来たら振り抜こうと思った」という判断からだった。
 
 ただ、決まるとは思っていなかったそうで「正直、打った瞬間は入っていない感じだったので、自分のポジションに帰ろうとしてしまった」と苦笑い。自陣に戻ろうとした次の瞬間に決まったことに気付き、「ゴールキーパーがキャッチしたのかなと見えていた。周りの選手の反応を見て、ああ、入ったんだという感じ」と振り返った。

 八戸は前々節までにJ参入後初の3連勝を飾り、板倉もフル出場で貢献していたが、前節はギラヴァンツ北九州に敗れて連勝がストップ。「前節は、アグレッシブさは継続できていましたが、ボールを持ってからのビルドアップで課題が残った」と語り、「チーム全体でどうやってボールを動かすかを1週間、特に意識していた。それが結果にもつながったと思う」と勝因を挙げた。

 この勝利で15位から13位に浮上し、残り5試合でさらなる浮上を目指す。「目の前の1試合1試合で勝ち星を積み上げていくことが、いまのチームには大事なことだと思う」と指摘した板倉は、「個人的に感じているだけかもしれませんが、勢いはあると思う。しっかり地に足をつけつつ、もっと成長していくために、日々の練習からやっていきたい」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英