10月16日の明治安田生命J3リーグ第29節で、ガイナーレ鳥取とヴァンラーレ八戸が対戦した。前半から一進一退の攻防が続いたが、後半に先制点を奪った八戸が、1点を守り切って完封勝利。今季苦手にしているアウェーで3勝目を挙げた。

上写真=八戸が後半の決勝点で鳥取に完封勝利。アウェー2連戦の2試合目の勝利で飾った(写真◎石倉利英)

■2022年10月16日 J3リーグ第29節(@Axis:観衆:1,380人)
鳥取 0-1 八戸
得点者=(八)板倉洸

・鳥取メンバー◎GK田尻健、DF石井光輝、増谷幸祐、長井響、石田侑資(89分:丸山壮大)、MF石川大地、世瀬啓人、新井泰貴、田村亮介(81分:安藤一哉)、FW澤上竜二(HT:髙尾流星)、田口裕也(73分:清永丈瑠)

・八戸メンバー◎GK服部一輝、DF小牧成亘、近石哲平、下堂竜聖、板倉洸、MF山田尚幸、相田勇樹(84分:中村太一)、渡邊龍(67分:國分将)、野瀬龍世(84分:宮尾孝一)、FW萱沼優聖(84分:新井山祥智)、佐藤碧(77分:丹羽一陽)

1点を守って2試合ぶりの勝利

 この日の鳥取地方は朝から雲一つない青空が広がり、午前中から気温がぐんぐん上昇。公式記録の最高気温は夏日となる25・4度で、前後半とも飲水タイムが設けられる暑さの中での戦いとなった。
 
 鳥取は10分、FW澤上の左からのセンタリングを、前節までホーム5試合連続ゴール中のMF石川がヘッドで狙ったが、八戸GK服部がファインセーブ。八戸も19分にMF渡邊がミドルシュートを放ったが上に外れ、20分には右からのセンタリングにファーサイドからMF野瀬が飛び込んだが、シュートは打ち切れなかった。

 その後はお互いにゴール前まで入っていけない時間帯が続き、鳥取は36分にMF新井が左足でミドルシュートを放ったが、GK服部の正面。結局前半はそのままスコアレスで折り返した。

 後半立ち上がりの49分、八戸は前線へのロングボールをFW萱沼がヘッドで流し、エリア内でフリーとなったFW佐藤が左足で狙ったが、上に外れて決まらず。61分には左CKをDF下堂がヘッドで合わせるも、わずかに右に外れた。

 だが、なおも攻め続けた八戸が68分に均衡を破る。右からのセンタリングが逆サイドまで流れたボールをMF野瀬が拾い、攻め上がってきたDF板倉にバックパス。持ち出した板倉が右足を振り抜くと、ゴール前の混戦を抜けたボールが鳥取GK田尻の脇の下を抜け、ネットを揺らした。

 その後は鳥取が選手交代で攻撃の活性化を図るが、八戸の守備網を破れない。それでも88分、MF安藤がドリブル突破を仕掛けると、昨季途中まで鳥取に所属していた八戸DF小牧がファウル。このプレーに警告が与えられ、この日2回目の警告で退場処分となった。

 数的優位に立った鳥取は、5分と表示された後半アディショナルタイムの90+4分、右サイドに流れたMF清永のセンタリングを、中央で待っていたFW髙尾が右足で合わせたが、GK服部がセーブしてCKに逃れる。なおも鳥取は攻め込むものの、ロングボールを八戸GK服部がキャッチしたところで試合終了のホイッスルが鳴った。

 八戸は前々節までにJ参入後初となる3連勝を飾っていたが、前節はアウェーでギラヴァンツ北九州に敗戦。前節終了時点で今季のアウェーは2勝1分け11敗と苦手にしていたが、3勝目を挙げて2試合ぶりの勝利をつかんだ。

 アウェー連戦の2試合目で勝ち点3をつかんだ志垣良監督は試合後、選手たちの奮闘を称えた上で「選手に試合前に伝えたのは、アウェー2連戦できついかもしれないが、もっときついのはサポーターだと。北九州の試合にも応援に来てくれて、鳥取まで足を運んでくれて、本当に彼らの姿勢には頭が下がります」とコメント。さらに「選手にも聞きましたが、恋人が遠距離恋愛でも、1週間に1回は会いに行かないだろうと。それくらい、連戦の中で遠くまで足を運んでくれたサポーターの方に、勝ち点3を届けられたのは大きかった」と感謝していた。

現地取材・写真◎石倉利英