AC長野パルセイロFW山本大貴が、待望の加入後初ゴールを挙げて勝利に貢献した。初先発で決めた先制点が、1-0勝利の決勝ゴールに。開幕前の負傷で出遅れたものの、前半戦を良い形で終え、後半戦でのさらなる活躍を誓っている。

上写真=先制点を決めた山本はベンチで控え選手やスタッフと喜びを分かち合った後、長野から詰めかけたファン・サポーターに向かってガッツポーズ!(写真◎石倉利英)

■2022年6月19日 J3リーグ第17節(@Axis:観衆931人)
鳥取 0-1 長野
得点者=(長)山本大貴

前半戦最後の試合で初ゴール

 7月16日の明治安田生命J3リーグ第17節で、アウェーでガイナーレ鳥取と対戦した長野は、開始直後の2分に早くも均衡を破った。MF宮阪政樹が約35メートルの位置からFKを直接狙い、無回転のブレ球を鳥取GK田尻健は懸命に体に当てたが、浮き球となってゴール前にこぼれたところを、詰めていた山本がヘッドで押し込んだ。

 山本はFKを得たときから「始まってすぐの、バズくん(宮阪)にとっては良い位置のフリーキック。雨でピッチも濡れていたので、無回転で狙ってくれ、という思いがあった」という。思いが通じて「たぶんバズくんも分かった上でシュートしてくれて、自分も反応できた」というゴールが、結局そのまま決勝ゴールとなり、長野は1-0で勝って2試合ぶりの勝利を収めた。

 ファジアーノ岡山から完全移籍で加入した今季、開幕前に左大腿直筋損傷で全治4~6週間と診断されて出遅れた。第6節から4試合続けて途中出場したものの、その後は再びベンチ外となり、前節で久しぶりに途中出場して、この日は加入後初先発。シュタルフ悠紀リヒャルト監督が「ここ最近、ずっと得点の匂いがしていたので、今日は取るな、という感覚みたいなところで起用した」と語った期待に応え、チームを勝利に導いた。

 プレーできない時期が長かったものの、「やるだけなので、いつチャンスが来てもいいように、練習から準備していたつもり」という姿勢を結果に結びつけた。「今回こういう形でチャンスをもらい、点を決めることができてよかった」と喜びつつ、「これにおごらず、また練習からしっかりやっていけたら」と今後を見据えた。

 今節はリーグ前半戦最後の試合で、後半戦にはずみをつけるゴールにもなった。「シーズンを通して1点目はすごく大事。その1点がようやく取れたので、これからもっと取れるように頑張っていきたい」と力強く語ったストライカーは、「後半戦は、もう一段階ギアを上げられるように、勢いを付けてゴールをたくさん取れるように頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英