ガイナーレ鳥取の清永丈瑠が、今季初先発で1得点1アシストと結果を出した。これまでのMFではなくFWで出場し、持ち味の攻撃力を遺憾なく発揮。先制されながらも反発力を示したチームの戦いにも、確かな手応えをつかんでいる。

上写真=2トップの一角で先発出場し、1得点1アシストを記録した清永(写真◎石倉利英)

■2022年6月25日 J3リーグ第14節(@Axis:観衆1,392人)
鳥取 2-2 相模原
得点者=(鳥)清永丈瑠、田村亮介
    (相)中原彰吾、加藤拓巳

「もっとやるべきことがたくさんある」

 6月25日の明治安田生命J3リーグ第14節・SC相模原戦で今季初めて先発で出場した清永のポジションは、昨季の鳥取加入後にプレーしてきたMFではなく、2トップの一角だった。FWでプレーするにあたり、「仕事はシンプルで、前線に入っている以上、後方から来るボールをしっかり収める、ゴール前に入っていて得点を取る。自分自身、今シーズンまだ1点も取れていなかったので、そこを意識して試合に入った」という。

 11分に先制されて迎えた25分、最初の結果を出した。最終ラインからダイレクトパスがつながり、右サイドのFW澤上竜二に渡ったところで中央のスペースに走り込む。澤上のパスを受けて抜け出すと、相模原GK圍謙太朗が前に出て間合いを詰めてきたところで、チップキックで浮かせてゴールに流し込んだ。

 MFでプレーしていればパスの出し手になっていたような場面だが、このときは「(右サイドの崩しの場面に)わざと寄らないようにして、目の前にいるセンターバックと、もう一人のセンターバックの間で駆け引きしようと思っていた」と振り返る。パスを引き出した後は「ゴールキーパーが出てくるのは見えていたので、その時点で浮かせて流し込もうと決めていた」という判断からの冷静なフィニッシュだった。
 
 さらに前半終了間際の45分には、右サイドの深い位置に走り込んでパスを受け、相手DFとGKの間にパスを通してMF田村亮介の逆転ゴールをアシストした。持ち味の攻撃力で2得点に絡んだものの、チームは後半に追い付かれて2-2で引き分け、連勝が2でストップ。試合後の会見で「非常に悔しいゲーム。2連勝していましたけど、これを続けられる力は、まだ自分たちにはないと痛感させられた」と語った清永は、「もう一度練習から、もっとやるべきことがたくさんあると、試合をやっていて思った」と続けた。

 第10節までリーグ戦6連敗を喫するなど苦戦が続いた鳥取は、第11節以降の4試合は2勝2分けの無敗。先制された後に一時的にでも逆転したのは今季初めてで、清永も「自分たちのミスで失点して、いままでのガイナーレだと前半で3、4点取られてもおかしくない状況。でも気を落とさず、前半で盛り返して逆転できたのは続けていくべきところ」と手応えをつかんでいる。

 FWで結果を出したことを、さらなるチームの浮上につなげたいところ。「前線からのプレスや、良い形でボールを奪ってのカウンターも、いくつか良いシーンがあったと思う」と自身の出来を評した清永は、「それにプラスして、ゴールとアシストにこだわってやっていきたい」と今後を見据えていた。

現地取材・写真◎石倉利英