昨季途中から負傷離脱していたガイナーレ鳥取DF石井光輝が、先発出場で10カ月ぶりとなる復帰を果たした。ハーフタイムで退き、チームも5連敗となったが、立て直しに向けて今後も尽力する考えを示している。

上写真=昨年7月以来となる公式戦に臨んだ石井(写真◎石倉利英)

■2022年5月25日 J3リーグ第8節(@Axis:観衆646人)
鳥取 1-2 愛媛
得点者:(鳥)大久保優
    (愛)小原基樹、進昂平

「すごく悔しいです」

 昨年10月に左大腿骨外顆軟骨損傷および左外側半月板損傷で手術を行ない、復帰まで9カ月の見込みと診断された石井は、長いリハビリを経て5月25日の明治安田生命J3リーグ第8節(代替開催)・愛媛FC戦に先発出場。昨年7月の第15節以来、約10カ月ぶりに公式戦のピッチに立った。

 5月に入って全体練習に復帰した後は練習試合もなく、ぶっつけ本番での復帰戦で、今季のキャプテンとしてキャプテンマークを巻いてCBの一角でプレー。「自分にはチームをしっかり引き締める役割がある。あまり良くない状況で、どう打開できるかを考えていた」と語るように、前節までリーグ戦4連敗と苦しむチームをけん引する働きが期待された。

 激しいボールの奪い合いなど連敗脱出に向けて奮闘したものの、21分に先制されてしまう。金鍾成監督が「慎重になった」と語った判断によってハーフタイムで交代となり、チームも1-2で敗戦。復帰戦を勝利で飾れず、試合後の会見で「勝ち切れなかったのは、すごく悔しいです」と厳しい表情を見せた。

 鳥取は後半、0-2から1点を返し、その後も押し気味に進めたが5連敗となり、18チーム中17位と低迷。5月22日の天皇杯1回戦では、ホームでJFLのヴェルスパ大分に0-4で大敗するなど、なかなかチーム状態が好転しない。

 復帰後と復帰前、ピッチ内外で感じた課題を「細かいことを言ったら、たくさんある」と指摘した石井は、関西大から加入してプロ6年目となる自身の立ち位置を踏まえて「僕はチームの中では経験がある方なので、1年目から積み上げてきたものを新加入の選手や新卒の選手に、もっと練習からしっかり伝えていければ、良いチームになっていくと思う」とコメント。「自分の役割として、もっと練習からやっていきたいです」と懸命に前を向いていた。

現地取材・写真◎石倉利英