福島ユナイテッドFCのDF大武峻が、リーグ戦3試合ぶりの出場で勝利に貢献した。セットプレーからヘッドで貴重な追加点を挙げ、守備でも力強いプレーで完封。加入1年目で主軸となっている実力を遺憾なく発揮した。

上写真=福島は18分、FKを大武(中央)がヘッドで合わせて2点目。先制点から5分後の追加点で流れを引き寄せた(写真◎石倉利英)

■2022年5月15日 J3リーグ第9節(@Axis:観衆1,211人)
鳥取 0-4 福島
得点者:(福)高橋潤哉2、大武峻、長野星輝

「セットプレーで2点取れたら楽になる」

 5月15日の明治安田生命J3リーグ第9節でガイナーレ鳥取と対戦した福島は、13分にCKから先制。5分後の18分に左サイドでFKを得ると、MF北村椋太のキックに飛び込んだ大武がヘッドで合わせ、ゴール左に決めてリードを広げた。

 今季リーグ戦2得点目の大武は「そんなにマークを外す動きをしたわけではないのですが、オフサイドポジションの、少し相手がマークにつきにくいポジションからスタートした」とコメント。「椋太が良いボールをくれたので、当てるだけ、コースに流し込むだけという感じだった」とゴールシーンを解説した。
 
 攻め込まれる場面もあった立ち上がりをしのいでセットプレーで先制し、直後に2点目を奪った。鳥取の金鍾成監督は「セットプレーでの2失点でゲームが決まってしまった」と振り返っており、「点を取った直後はスコアが動きやすいし、どのカテゴリー、どの国でも、セットプレーで2点取れたら試合が楽になる」と語った大武も、「今日は最初のセットプレーでの2点が大きかった」と納得の表情を浮かべた。

 ジュビロ磐田からの完全移籍で加入した今季、開幕戦から先発出場。第3節から3試合欠場したのち、第6節で復帰したが、その後の2試合を再び欠場し、この日は3試合ぶりのリーグ戦出場だった。コンディションについて「不安がないかと言われたら、多少はあった」と明かし、「この試合に向けて、コンディション面も含めて必死に準備してきたので、それを出せればいいかなと思っていた」という。

 意気込みを結果で示し、的確なシュートブロックなど本職の守備でも持ち味を発揮して、4-0の完封勝利に貢献。「ゴールキーパーも含めて、後ろの選手は(失点)ゼロにこだわっている。大量得点した試合でも無失点は価値があるものだと思うので、継続していきたい」と今後を見据えた。

 加入1年目で主軸となっている大武の働きを、服部年宏監督は「ゴールもそうですが、うまくコントロールしてくれて、危ない場面でしっかり体を張って対応してくれている。チームとして助かっている」と評価した。チームの現状について「まだまだミスが多いので、改善しなければいけない」と指摘した大武は、さらなる成長に向けて「細かいミスを、全部なくすことはできないので、減らす。あとは、チームとしてやることは決まっているので、みんなのイメージを共有したり、やり続けていくだけで結果はついてくると思う。そこをぶらさず、しつこくやっていければ」とポイントを挙げていた。

現地取材・写真◎石倉利英