ガイナーレ鳥取MF丸山壮大が4月24日、天皇杯の鳥取県代表決定戦でプロ初ゴール。ほとんど経験がないポジションでフル出場し、勝利に貢献した。起用法の幅を広げるプレーを披露し、リーグ戦でも結果を残すべく燃えている。

上写真=天皇杯鳥取県代表決定戦でプロ初ゴールとなる先制点を決めた丸山(写真◎石倉利英)

左SBでフル出場

 天皇杯の鳥取県代表決定戦で中国リーグ所属のYonago Genki SCと対戦した鳥取は、21分に先制点を奪った。この日、左サイドバック(SB)で先発出場した丸山がタイミング良く攻め上がってパスを受け、エリア内に入って右足でコースを狙ったシュート。これは相手GKに止められ、その後も別の選手のシュートが相手選手にブロックされるなど混戦となったが、最後は丸山が落ち着いて左スミに流し込み、ネットを揺らした。

 東京農業大から加入1年目のルーキーにとって、これがプロの公式戦での初ゴールで、派手なガッツポーズとともに、観客が声を出せないために静かなAxisバードスタジアムに響き渡るほどの雄叫び。「最後はゴールキーパーをしっかり見ることができていたので、流し込めてよかった」とゴールシーンを振り返った丸山は、「かなり気合いが入っていたので、雄叫びを上げてしまいました」と照れくさそうに笑った。

 本来はボランチだが、開幕後にリーグ戦では右SBで先発起用されている。左SBは、3月のJエリートリーグで経験があるものの、それ以外は「中学生のときに少しやったくらいで、ほとんど経験がない」というポジション。それでも「自分の特徴である1対1で負けないところを前面に出して、個人とチームの課題である攻撃を意識して取り組んだ」というプレーで結果を出した。

 49分にはドリブルでエリア内まで攻め上がり、3点目につながるパスを送って得点に絡んだ。フル出場で5-0の勝利に貢献したものの、本人は「前の選手がボールを持ったときに追い越して、アシストすることを意識していましたが、90分間を通して100パーセント出せたかといえば、まだまだ課題はある」とコメントするなど、満足はしていない。より質の高いプレーを目指して「もっとやっていきたい」と言葉に力を込めた。

 鳥取は現在、明治安田生命J3リーグでは1勝1分け3敗、18チーム中16位と苦戦が続いている(第4節の延期で1試合未消化)。丸山は巻き返しに向けてのポイントを「チームの共通認識もそうですが、まずは個人戦術を高めて、相手に負けないことを意識したい」と語り、さらなる成長とチームへの貢献を誓っていた。

取材・写真◎石倉利英