ガイナーレ鳥取FW髙尾流星が、プロの壁にぶつかりながらも懸命のプレーを続けている。プレシーズンの負傷離脱もあり、開幕からベンチにも入れない状況だが、徐々に手応えをつかみ、デビューに向けて奮闘している。

上写真=プロ1年目のシーズンで、まずはデビューを目指して練習を重ねている髙尾(写真◎石倉利英)

「少しずつ慣れてきた」

 鳥取は過去2年、明治安田生命J3リーグにおけるシーズン最初の得点は、高校卒のルーキーが決めてきた。昨季は市立船橋高(千葉)出身のDF石田侑資で、一昨季は四日市中央工高(三重)出身のFW田口裕也。今季の高校卒ルーキーは飯塚高(福岡)出身の髙尾のみで、3年連続となるか注目されていたが、実際には第5節までの4試合(第4節は中止)を終えて出場はおろか、ベンチ入りの経験もない。

 始動後に負傷離脱した時期があり、コンディションを整えるのに時間がかかった。合流後も「最初はプロのフィジカルやスピードに全くついていけなくて、戸惑いました」と振り返るが、それでも練習を重ねるうちに「最近は少しずつ慣れてきて、練習でシュートまで持っていけるようになり、得点できるようにもなっています。少しずつ積み重ねていきたい」との手応えもつかんでいる。

 現役時代に同じFWだった金鍾成監督からは、前線でボールを収めるプレーについて言われることが多いという。「スペースがない状況で、どれだけパスを受けることができるか」を求められており、「練習で意識してやっていきたい」と意気込む。

 プロのフィジカルやスピードに慣れてきてはいるが、「やっぱり高校生とは全然違う」と考えている。筋力トレーニングなどによるパワーアップの努力は当然として、同時進行で「試行錯誤しながら、いまの自分の強度で出せる最高のパフォーマンスを見せたい」との思いも抱く。

 鳥取のFWは現在、3試合連続ゴール中の大久保優と田口が2トップを組んでおり、開幕後に期限付き移籍でセレッソ大阪から澤上竜二も加わるなど、ポジション争いは激しい。それでも髙尾は「早く試合に絡んで、スタメンを勝ち取れるように頑張りたいです」と力強く語り、デビューに向けて努力を重ねていくことを誓った。

取材・写真◎石倉利英