Y.S.C.C.横浜DF藤原拓也が、古巣対決での敗戦に悔しさをにじませた。昨季までプレーしたガイナーレ鳥取と対戦し、0-3の完封負け。試合後は今季未勝利で最下位の苦しい状況を打破すべく、取り組むべきことなどについて語っている。

上写真=昨季まで所属していたガイナーレ鳥取と対戦した藤原(写真◎石倉利英)

■2022年4月10日 J3リーグ第5節(@チュスタ:観衆2,027人)
鳥取 3-0 YS横浜
得点:(鳥)大久保優、田口裕也、永島悠史

CKからのヘッドはクロスバー

 4月10日の明治安田生命J3リーグ第5節・鳥取-YS横浜戦は、鳥取が練習拠点としている米子市のチュウブYAJINスタジアムで行なわれた。昨季まで2年間、鳥取でプレーしていた藤原にとっては思い出の地での一戦だったが、0-3で敗れたとあって、試合後の会見では「負けたので悔しいです」との思いが先に立った。

 最終ラインからパスをつないで敵陣の攻略を目指し、うまくゴール前まで行ったシーンもあったが、自陣でスローインを奪われるなどミスから前半のうちに0-2とされた。「うまくいった形も作れたし、逆に変な形で奪われたりして、そういった形が作れない状況も多かった」と振り返った藤原は、「失点も自分たちのミスから。このスタイルでやっていくのであれば、もっと突き詰めなければいけない」と続けた。

 後半開始直後、自らの手で流れを変えるチャンスがあった。開始から1分もたたないうちに右CKを得ると、ファーサイドへのボールに藤原が飛び込む。鳥取GK田尻健が触れずに後方に流れたボールをヘッドで合わせたが、「田尻の手がブラインドになって、よく見えなかった」というヘッドはクロスバーに当たり、「決めたかった」と悔しそうに語った。

 結局、後半にもミスから失点して完封負け。試合後に鳥取の応援席にあいさつに行かなかったのは「ちょっと余裕がなかったから」だという。それでも試合中は、久しぶりにチュスタでプレーしながら「客席が近くで、雰囲気がいいですよね」と感じていた。ゴール裏ではファン・サポーター有志がクラウドファンディングで資金を集めて制作した大旗がはためいており、「大旗の数が増えていて、すごいなと思った」と驚いた。

 YS横浜は開幕戦の引き分け後は第2節から4連敗となり、リーグ唯一の未勝利で最下位と苦しい状況が続く。昨季も鳥取で開幕から出遅れ、苦戦を強いられた経験を持つ藤原は「トレーニングのオーガナイズはありますが、もっと選手同士で要求して、話をして、もっと強度を上げてやらないと。練習でやったことしか、試合では出ない」と危機感を強めた。

 さらに鳥取が昨季、シーズン終盤に3連勝するなど調子を上げたことを踏まえて「いくらスタッフから言われた、良いことをやっても、選手が主体的にやらないと結果も出ない。去年、鳥取はシーズン終盤に選手が主体的にやり始めて、結果が出てきた」とコメント。「そこは自分からも、もっと周りの選手たちに言っていかなければいけない。もっとやらなければいけないです」と巻き返しを誓っていた。

現地取材・写真◎石倉利英