ガイナーレ鳥取MF新井泰貴が、昨季からの巻き返しを期してプロ3年目のシーズンに挑む。明治安田生命J3リーグの開幕を間近に控え、主軸としての責任感を胸に、クラブ悲願のJ2復帰に貢献すべく意気込んでいる。

上写真=プロ3年目の開幕に向けて練習を重ねている新井(写真◎石倉利英)

「中心としてやっていく覚悟で」

 J1とJ2は2月に開幕し、序盤の戦いが続いているが、J3の開幕は3月12日。鳥取の開幕戦は同日、アウェーでの藤枝MYFC戦で、新井は「DAZNでJ1やJ2を見ているので、早く試合がしたいです」と待ち遠しい思いを口にした。

 昨季途中に就任した金鍾成(キン・ジョンソン)監督が、引き続き指揮を執る今季。「選手一人ひとりが躍動してこそ、ジョンソンさんのサッカーが体現できる。それぞれの特徴が出るし、そういう選手が集まっている」と現状を説明した新井は、「それぞれが物怖じせずにやることができれば、見に来た人が感動するような試合を見せられると思う」と力強く語る。

 産業能率大から2020年に加入し、1年目はリーグ戦34試合中30試合、2年目の昨季は28試合中25試合に出場。中盤の主軸の一人として「昨年から継続して、前への推進力を持ってプレーすることが大事。ゴールやアシストなども求められる」と意識しているが、それだけが仕事ではない。「ただイケイケになるのではなく、展開を見ながらコントロールすることも必要。チームの中心としてやっていく覚悟で戦いたい」と意気込む。

 終盤まで上位に食らいついて5位だった20年から一転、昨季は序盤から低迷し、最下位の時期が長く続いた。終盤に初の3連勝を飾るなど巻き返し、15チーム中12位で終えたものの、「チームも個人も苦しい期間が長く、ファン・サポーターの皆さんを喜ばせるような試合を、あまり見せられなかった」という悔しさが残った。

 その思いを、今季にぶつける。新井は「弱いガイナーレのイメージを払拭して、強いガイナーレを体現したい」と言葉に力を込め、2013年以来となる鳥取のJ2復帰への貢献を誓った。

取材・写真◎石倉利英