今季途中までガイナーレ鳥取に在籍していたヴァンラーレ八戸DF小牧成亘が、古巣との試合にフル出場。敗戦の悔しさをかみ締めつつ、かつてのチームメイトやファン・サポーターとの再会を喜んでいた。

上写真=今季前半戦まで在籍していた鳥取の地でプレーした小牧(写真◎石倉利英)

■2021年12月5日 J3リーグ第30節(@Axis:観衆1,584人)
鳥取 3-0 八戸
得点:(鳥)田口裕也、石川大地、鈴木順也

「楽しい試合になりました」

 八戸は12月5日の明治安田生命J3リーグ第30節で、鳥取とアウェーで対戦した。今季前半戦の第15節まで鳥取に在籍し、その後に八戸に完全移籍した小牧は、同一シーズンでの古巣との対戦を「夏まで在籍していたチームなので、紅白戦をやっているような不思議な感覚でした」と振り返った。

 前節終了時点で八戸は15チーム中12位、鳥取は14位。八戸は0-3で敗れ、12位に浮上した鳥取に抜かれて13位でシーズンを終えた。「移籍するタイミングから(最終節で対戦することは)分かっていたので、すごく楽しみにしていた」と語った小牧は、「お互い、もう少し上の順位で試合がやれたらよかった」と本音を語りつつ、「それでも楽しみにしていたので、負けはしましたが、楽しい試合になりました」と心境を明かした。

 八戸加入後は全14試合に先発出場したが、チームへの貢献を問われると「貢献できたかというと、できたのかな、という方が大きい」とコメント。前半戦終了時点で8位、J2昇格圏内の2位との勝ち点差は6だったことを踏まえ、「昇格を狙える位置にいましたが、自分が加入してから、なかなか勝てなかった。貢献できたという自負はなく。100パーセント、悔しさの方が残る後半戦だった」と胸の内を明かした。

 19年にも八戸に在籍しており、1年半ぶりに復帰して半年間プレーした。昇格争いに絡んでいくための課題を「チームとしての一体感が八戸の強みだと思うので、いかに出していけるか」と指摘。「そこがおろそかになってしまったら、なかなか勝てない状況になってくる。しっかりチームとして出していければ、おのずと順位も上がっていくと思う」と語った。

 試合後は鳥取のファン・サポーターにもあいさつ。「温かい拍手をいただき、試合には負けましたが、すごくうれしかった」と喜び、「温かいサポーターの人たちに見守られながらプレーできたのは、すごく幸せなことだったと、あらためて感じました。これからも引き続き、応援していただければ」と古巣への思いを口にした。

現地取材・写真◎石倉利英