ガイナーレ鳥取MF可児壮隆が、チームと自身の巻き返しへの思いをプレーで表現した。10月4日のJエリートリーグにフル出場して勝利に貢献。今後も目の前の試合に全力を注ぎながら、さらなるチームへの貢献を目指す。

上写真=前日のリーグ戦での交代出場に続き、Jエリートリーグでフル出場した可児(写真◎石倉利英)

「もっと変化してもいいんじゃないか」

 鳥取のホーム、チュウブYAJINスタジアムで行なわれたJエリートリーグの徳島ヴォルティス戦。キャプテンマークを巻いてボランチの一角で先発出場した可児は、中盤でのボール奪取や、その後の配球、力強いドリブル突破など攻守に躍動感あふれるプレーを見せ、チームを引っ張った。

 前日に同スタジアムで行なわれた明治安田生命J3リーグ第21節・テゲバジャーロ宮崎戦でも73分から交代出場しており、2日連続の公式戦。さすがに終了間際には足がつって苦しくなったものの、最後までピッチに立って1-0の勝利に貢献した。

 リーグ戦では中断前最後の第15節から7試合連続の控えで、出場機会が減っている。一方チーム状態は一進一退で、アウェーではFC岐阜、カターレ富山と上位相手に完封勝利を収めながらも、ホームでは4月の第6節を最後に勝利がない。前述の宮崎戦も0-4で敗れ、15チーム中14位と苦戦が続く。

 宮崎戦翌日の徳島戦は、前日の大敗からの再スタートであると同時に、先発に名を連ねたリーグ戦で出場機会が少ない選手が、何を見せることができるのかが問われる一戦でもあった。可児のプレーは、チームと自身の現状を打破しようとする思いが伝わるものだったが、それでも「試合に出ている・出ていないにかかわらず、目の前の試合を一生懸命にやるだけ。ボールを蹴る場所、攻撃・守備ともにゲームを動かすことを意識してプレーした」と冷静に振り返った。

 チームのパフォーマンスが安定するために「試合の流れを見てプレーしたり、声を掛けたりすることが大事」と強調する。「ただ言われたことだけやっても、うまくいくわけじゃない。時間帯や相手のやり方によって、もっと変化してもいいんじゃないかと思う。そういうところを意識してやっていきたい」と今後のプレーをイメージしていた。

取材・写真◎石倉利英